平和活動に貢献した、個人や団体に贈られる「谷本清平和賞」に、今年は「原爆の絵」を描き続けている、広島市立基町高校の創造表現コースが選ばれました。

「谷本清平和賞」は、原爆の悲惨さと平和の尊さを訴え続けた、牧師・谷本清さんの遺志を受け継ごうと、財団法人「ヒロシマ・ピース・センター」が1987年に創設。

今年受賞した広島市立基町高校普通科創造表現コースでは、被爆の実相を後世に伝えていこうと、生徒が2007年から「原爆の絵」の制作ボランティアを行っています。

この18年間で、およそ200人の生徒が50人以上の被爆者から話を聞き、何度も描き直しをしながら222点の絵を完成させました。

被爆者の高齢化が進む中、当時の情景を後世に残すだけでなく、絵の制作を通して、高校生が被爆者の思いを受け継ぎ、平和の尊さについて考えるという「次世代への被爆体験の継承」が高く評価されました。

贈呈式は11月16日に行われます。

≪スタジオ≫
平和活動に貢献した個人や団体に贈られる谷本清平和賞ですが、改めて谷本清さんについて解説します。
広島流川教会の牧師で被爆直後から被爆者を救助したり、ケロイドに苦しむ女性(原爆乙女)のアメリカでの治療を実現したりするなどの活動に力を注いできました。
また、1950年にヒロシマ・ピース・センターを設立し、海外の平和運動とも連携し「核兵器廃絶」を訴えてきました。


これまでの授賞者をみますと原爆詩の朗読などを通して反核平和の実現に寄与した俳優の吉永小百合さんや、日本被団協の代表委員として国の内外の平和活動を推進してきた坪井直さん、また、G7広島サミットで世界各国の首脳陣に英語で被爆証言をした小倉桂子さんなど36の個人や団体が授賞しています。

今年の贈呈式は来月16日に行われます。

テレビ新広島
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