宮城県警南三陸警察署は、南三陸町内で見つかった身元不明の遺体について、東日本大震災で行方不明となっていた岩手県の当時6歳の少女であることが判明したと発表した。2011年3月の発災から、約14年7カ月経っての身元特定となる。

警察によると、2023年2月17日、南三陸町志津川の建設会社が歩道橋の補修作業後に周辺の清掃を行い、事務所内で分別作業をしていたところ、人骨のようなものを発見。警察に届け出た。

発見されたのは下あごの骨の一部や数本の歯で、警察はミトコンドリアDNA型の鑑定や、歯のたんぱく質を調べる「プロテオーム解析」を東北大学大学院歯学研究科と共同で実施。

その結果、岩手県山田町に住んでいた当時6歳の少女であることに「矛盾しない」と確認された。少女は震災当時、幼稚園児で、自宅で津波に巻き込まれたとみられ、行方不明になっていた。

遺体の発見を受け、警察は遺族関係者に今後、引き渡しを予定している。

遺族は次のようなコメントを寄せている。
「清掃していただいた方々、清掃した収集物を分別して発見してくださった方、諦めずに調査していただいた警察の方々に大変感謝しています。
諦めていたところに連絡をいただき驚きましたが、大変うれしい気持ちです」

身元特定の決め手となった「プロテオーム解析」は、歯のたんぱく質を調べて性別を鑑定する手法。宮城県では初めて活用されたという。

仙台放送
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