愛知県東海市に、最新の設備が搭載された救急車2台が導入されました。キッカケは女性からの1億円の寄付です。「救急災害に役立てていただきたい」と遺言を残していました。

■1台約5000万円…その名は「ふれ愛号」
女性からの遺言を受けて東海市が購入したのが、1台およそ5000万円の「高規格救急車」2台です。

東海市消防署の池田秀一署長:
「東海市在住の故人の方から『救急災害に役立てていただきたい』と、1億円のご寄付がありまして」
外国人でも分かりやすいように、アメリカやヨーロッパの救急車のデザインも採用され、故人の希望で「ふれ愛号」と名づけられました。
池田署長:
「(故人は)実際に医療機関を受診されることが多かったようで、『救急隊員とかに大変お世話になった』と」
■まさに「走る救命基地」最新の設備が搭載
救急車には最新設備が搭載されています。安全に運べる「電動ストレッチャー」は、ボタン1つで上げ下げできます。

救急隊員:
「女性の隊員もボタン1つで上げ下ろしができる、どのような方でも操作できる」
もう1つが「自動式心臓マッサージ機」です。
救急隊員:
「狭い階段や狭い通路といった所でも、絶え間ない胸骨圧迫ができます。通常ですと宙に浮いていますので、胸骨圧迫ができませんでした」

自動化にすることで、他の救命措置も1人で同時に行えるようになりました。通常の心臓マッサージを記者が体験しましたが、力が必要で想像以上に大変です。
救急隊員:
「1分間に100回以上、20分くらい胸骨圧迫をやらないといけない時もあります」
ほかにもAEDなど様々な設備が搭載され、まさに「走る救命基地」。

今回の寄付金で救急車は合わせて6台に、救急隊は4隊から5隊に増強されました。
東海市消防署の池田秀一署長:
「しっかりと訓練して、確実な活動をやっていきたい」
新たに導入された高規格救急車。これから多くの人の命を救うことになります。
■宝塚市では254億円…桁違いの寄付額も
高額な寄付は全国的にもあります。
北海道函館市で2017年、市内の酒類卸会社の会長から「使い道はお任せします」と4億円の寄付がありました。この寄付は「湯の川温泉の整備」に使われました。
兵庫県宝塚市では、254億円もの寄付があり、市立病院の建て替え費用などに使われるということです。寄附したのは市内に住む70代の夫婦です。どうやってこのお金を用意できたのか気になりますが、市の担当者も「我々も詳細は分からないんです」と話していました。
愛知県尾張旭市では、7.5億円かかるという「市民プール」の改修費を、50代の会社経営者が全額寄付するということです。その理由は「老朽化を目の当たりにし、楽しく安全に遊んでほしい」との思いからということで、リニューアルオープンは2026年夏の予定です。現在、愛称を募集しているということです。