クマが目撃されたのは札幌市西区西野4条7丁目付近の「北一条宮の沢通」です。
約500メートル先には小学校のほか、住宅街が立ち並んでいます。
午前0時ごろ、「体長1メートルぐらいのクマが住宅街の中に入っていった」と付近を車で走行していたドライバーから警察に通報がありました。
警察によりますとクマは、道路を北に横断すると、さらに住宅街の中へと立ち去ったということです。
「クマが目撃された付近の住宅街にはクマの足跡が残っています」(吉村記者)
目撃現場から約70メートル先では無数のクマの足跡が見つかっています。
住宅街でのクマの出没に札幌市は…
「クマは歩いてきてそのまま山に帰って行った可能性もあるし、この辺にとどまっている可能性もある」(札幌市の担当者)
「散歩ができなくなる、外に出れなくなると思いました」
「車が多いのでここまでは(クマが来ない)と思っていました」
「子どもたちにはきょう(外に)出ないようにと学校から緊急の連絡も回ってきたので自宅で待機させている状態です」(いずれも住民)
クマ出没の影響で周辺の小中学校3校が休校となりました。
西区では、9月26日に公園で男性がクマに襲われケガ。
10月4日にも今回の目撃現場から南に約1キロの住宅地付近でも親子グマ3頭が目撃されています。
「気を付けてください」(警察)
一方、札幌市南区の藻岩山スキー場の登山口では警察が山菜採りの人たちにクマに注意するよう呼び掛けました。
「クマの目撃されている地域での入山は極力避けるとともに、入山する時は単独で行動せず、必ずクマ撃退スプレーを携帯するなど万全の準備をお願いします」(北海道警察地域企画課 鍋谷圭介さん)
札幌市内では2025年度、クマの出没が10月7日時点で200件を超えていて、2024年の同じ時期と比べて約3倍に増えています。
では、なぜ市街地でのクマの出没が増えているのか…
北海道内の約300を超える地点で木の実の生育状況を調べたところ、クマのエサとなるドングリが凶作などになっていることがわかりました。
エサを求めたクマが活動範囲を広げて市街地への出没が増えることも懸念されます。
「危険性があると判断されたクマは駆除を最優先とした対策をとる。西区を中心に公園や市民の森が閉鎖されているがそういった場所には絶対に近づかないようにしてください」(札幌市環境共生担当課 坂田一人 課長)