「医師は、時刻入りの食事・間食・飲酒、運動、睡眠、体調などの記録と数値を合わせて判断します。その数値が出た時に何を食べたのか、どんな生活をしていたのかが分からなければ、正確な判断はできません。ですから、CGMで測定した結果だけを病院に持参されても困ってしまうのです」

できればCGMを使い始める前に、医師に相談するのがベターだろう。

医療機関での利用も広がる

医療機関でのCGMを取り入れた食事・生活指導は広がっている。大坂さんも、管理栄養士とチームを組んでそうした指導を行っている。

「指導をしてみてはじめて、血糖値の乱高下などの健康診断ではわからなかった問題が判明する人も少なくありません。ただし、こうした取り組みは自由診療で1回約2~3万円と高額で、内容が標準化されていないため、万人にはお勧めできるわけではありません」

気軽に利用できるものではないため、病院選びは慎重に行うべきだろう。

大坂さんは言う。

「“健康”はビジネスにもつながりやすい。お手軽に健康になれるという言葉には注意してほしい」

最新の医療・健康情報とは慎重に付き合いたい。

大坂 貴史(おおさか・たかふみ)
医師。綾部市立病院 内分泌・糖尿病内科部長、京都府立医科大学大学院医学研究科内分泌・代謝内科学講座 客員講師・臨床准教授。糖尿病専門医・指導医、総合内科専門医、日本医師会認定健康スポーツ医。糖尿病と筋肉、糖尿病運動療法が専門。病院の外で「糖尿病で不幸になる人を減らす」活動をしている。Xでは「筋肉博士」として医療情報を発信中。近著に『血糖値は食べながら下げるのが正解』(KADOKAWA)。

取材・文=黒木里奈

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