「針を使わない」製品に注意!

現在、CGMには「FreeStyleリブレ」や「Dexcom G7」といった代表的な製品をはじめ、医療機器として承認されているものが複数ある。

CGMはセンサーを腕に取り付ける(イメージ)
CGMはセンサーを腕に取り付ける(イメージ)

ところが中には、スマートウォッチや指輪タイプなど、「針を一切使わず血糖値を測定できる」とうたう製品も販売されている。

「スマートウォッチや指輪タイプはまだ完全におもちゃの段階です。中には某大手メーカーの製品だと誤認させるようなものもあり、メーカーから正規品ではないと注意喚起が出ています。

将来的に、針を使わずに血糖値を測定できる技術が実用化される可能性はあるものの、現段階で信頼性はきわめて低く、医療機器としての役割は果たせません」

自己判断での使用は勧められない

“なんちゃってCGM”も出回っているとはいえ、CGMは画期的で便利なツールだ。ただし大坂さんは、「専門知識のない人がCGMの数値だけを見て、『血糖値を上げないようにしよう』『ダイエットに生かそう』などと行動するのは危険」と強調する。

「その理由の一つは、間質液のブドウ糖を測定するCGMは、血液で測定した数値と異なるため、誤差を考慮して判断しなければならないためです」

CGMの数値は血液で測定した数値と異なる(イメージ)
CGMの数値は血液で測定した数値と異なる(イメージ)

大坂さんによれば、その誤差には次のような特徴がある。

・血液で測定した場合より10〜15分遅れた数値である
・血糖値が急激に上がったり下がったりする際に、数値が大きく出たり小さく出たりする傾向がある
・むくみ、運動中、寝ている時の圧迫なども数値に影響する

「特に、低い値を示す際は誤差が大きく出やすい。血糖値が上がった、下がった、という動き自体は事実ですが、数字そのものは信用しすぎない方がいいでしょう」

もう一つの理由として、数値だけを見ても正確な判断はできないためだという。