カンボジアで韓国人を狙った拉致・監禁事件が急増している。7月には大学生が行方不明となり、家族に身代金を要求する脅迫電話が届いた。その後遺体が発見され、中国人3人が殺人罪などで起訴された。
韓国政府によると、1月から8月の間にカンボジアで監禁されるなどした韓国人は約330人に上り、未だ約80人が安否不明だという。
韓国人大学生の遺体発見
特殊詐欺組織が関与したとみられる韓国人の拉致や監禁事件が、カンボジアで急増している。

韓国政府によると、現在約80人の韓国人が安否不明になっているという。
取材班:
カンボジアでは韓国人を狙った誘拐や監禁などの事件が相次いでいて、韓国国内で大きな問題となっています。
写真に写っているのは、韓国人大学生(22)だ。7月、「カンボジアの博覧会に行く」と言って1人で現地に向かった。
しかし1週間後、大学生の家族に脅迫電話がかかってきた。大学生を韓国に送り返す条件として、日本円で約530万円を要求してきたという。

その2週間後、カンボジアで大学生の遺体が発見された。死因は「拷問などによる心臓麻痺」だ。
大学生(22)の父親:
死亡診断書を見ると胸が痛みます。拷問による心臓麻痺なんて、どれほど苦しめたのか。
その後、カンボジア検察は、韓国人大学生に対する殺人や暴行などの罪で中国人3人を起訴した。

一方、カンボジアに向かった息子、キム・スファンさん(20)と連絡が取れなくなったという韓国人男性もいた。
スファンさんは「カンボジアで大金を稼げる」などと話していたという。
スファンさん(20)の父親:
1カ月働けば1000万ウォン(約106万円)以上稼げると話していた。それで私は「そんな仕事はない」とはっきり言いました。
被害者約330人…現在も約80人安否不明
スファンさんが出国して2カ月後、スファンさんの弟に知らない番号から電話がかかってきたという。

スファンさん(20)の弟:
小さい声で「助けてください」と言って、何かスファンの声のようだったので「今どこにいるんだ?」と聞いたら「どこ」と言った瞬間、別の人が電話に出て暴言を吐かれた。
家族が警察に失踪届を提出して2カ月近く経ったが、スファンさんはいまだ見つかっていない。

韓国政府によると、1月から8月の間にカンボジアで監禁されるなどした韓国人は約330人に上り、現在も約80人が安否不明だという。
韓国・李在明大統領:
今は何よりも被害者を保護し、また事件の関係者を国内に速やかに送還しなければなりません。
韓国政府は、行方不明者を救出するための対応チームをカンボジアに派遣するなど、対応を進めている。
(「イット!」10月16日放送より)