福岡市内の保育園で、2人の保育士が園児の容姿をからかうなど不適切な発言を繰り返していた問題で、7日夜、保護者向けの緊急説明会が開かれました。

7日、福岡市内の保育園で開かれた緊急の保護者説明会。

〈保護者説明会 ボイスレコーダの音声〉
「やはりこういう状況が起きてしまうと、すごく心が痛んで誰も信用できなくなって」

保育園で、一体何があったのでしょうか?

〈ボイスレコーダーの音声〉
◆保育士A
「カメレオンに似てる」

◆保育士B
「褒め言葉よ」
「アンタはさ結んだら痛いとかなんとか言いそうだからいやだ」

これは9月、園内で録音された保育士の発言です。

その相手は、わずか2歳の女の子でした。

◆福岡市在住 女の子(2)の母親
「娘の立場に置き換えたら正直普通じゃいられなくて。許せないなという感情になったのは初めてだったので、(録音を)聞いたときは涙が止まらなかった」

女の子の母親が娘の様子に異変を感じたのは8月下旬。

保育園に通い始めて3カ月が経ったころでした。

◆福岡市在住 女の子(2)の母親
「最初に入園したときは保育園の鞄を見るだけで喜んで、自分で玄関に持って行くという行動をしていたが、9月のちょっと前ぐらいから、『嫌だ嫌だ嫌だ』ってのけぞり返ったり泣いたりすることに違和感を感じました」

そこで娘のバッグにボイスレコーダーを入れて園に預けることにー。

娘が帰宅し、再生してみるとー

〈ボイスレコーダーの音声〉
◆子供
「いやあ!」

◆保育士
「そういう話をお母さんにしてもらいなさい。アンタのお母さんもわめいて言わんかったらよかことしか言わんけん」

◆保育士
「(泣いている子供に)何?訴えてこないで!」

さらに、園児の容姿をからかう発言もー。

〈ボイスレコーダーの音声〉
◆保育士A
「カメレオンに似てる」

◆保育士B
「褒め言葉よ」

◆保育士A
「顔がおさかなになってる」

◆保育士B
「元からこんな顔です」

◆保育士A
「マンボウみたいよ」

◆福岡市在住 女の子(2)の母親
「容姿のことをバカににしたり笑ったり」

ボイスレコーダーには「親として許しがたい」音声が数多く記録されていました。

TNCは、9月末にこの問題を放送し、その翌日に保護者会の開催が決定。

そして7日夜に開かれた説明会には約50人の保護者が参加しました。

〈保護者説明会 ボイスレコーダーの音声〉
◆園運営法人の理事長
「法人代表の理事長として深くお詫びを申し上げさせていただきます」

保護者からは「放送を受けて初めて問題を認識した」という怒りの声が飛びます。

◆説明会に参加した保護者
「園からのお知らせだと『会話に不適切な発言がありました』で突然説明会を開きますという内容だったんですね。報道という言葉で出てると思うんですけど、皆さん多分何かを察して『え?これじゃない?え?これうちの園なの?』みたいな感じでモヤモヤして皆さん来られた。この園で起こったことと認めるって言うことでよろしい?」

◆園運営法人の理事長
「我々の法人が、いま報道されております」

◆説明会に参加した保護者
「ニュースを見てすごく心を痛めて。直接自分の子は言われてないかもしれないですけど、内容がわからないので。愛情を持って接してくださっている先生もいると思うんですけど、やはりこういう状況が起きてしまうとすごく心が痛んで、誰も信用できなくなって。管理体制がどうだったのかっていうのは後日でいいので説明をしていただかないと納得ができない」

一方、問題となった不適切な発言の具体的な内容についてはー

◆説明会に参加した保護者
「現時点でそれに(具体的な内容)対して何も回答できないってことですか?」

◆園運営法人の理事長
「調査が終わっていないのに答えるというのは本当に無責任だと思うので、ちょっとそこは今お答えしかねます」

「調査中」との回答に終始しました。

1時間以上に渡った説明会を受けて、2歳の女の子の母親はー。

◆福岡市在住 女の子(2)の母親
「ときには自分の子どもが言われてたんじゃないかと不安になってしまって涙を流す保護者の方もいたんですけど、何も一切答えられないという感じで全然何言ってるかも良く分からなかったですし、何の説明会だったのかなと思いました」

園は今後、他の園児に対しても不適切な保育がなかったか確認を進めるとともに、外部講師を招くなどして再発防止に努めるとしています。

一方、福岡市は、園に対して調査報告書の提出を求めています。

テレビ西日本
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