10月6日から「ノーベル賞ウィーク」が始まります。東海地方ゆかりの研究者たちを調べました。また、2年連続で受賞予想を“的中”させた有識者が太鼓判を押す、有力候補についても話を聞きました。

■高校生からサイン攻めの特任教授も…期待の2人

名城大学で開かれている「リアル謎解きゲーム」。青色LEDやリチウムイオン電池など、ノーベル賞受賞者の研究にまつわる7つの謎を解いてクリアを目指します。

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名城大学で30年越しの受賞が期待されるのが、飯島澄男終身教授です。86歳ですが、キャンパス内の急な坂を軽快に駆け上がるほど元気です。

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1991年に夢の新素材「カーボンナノチューブ」を発見し、毎年、ノーベル物理学賞や化学賞の候補として注目されています。

一方、去年から名城大に仲間入りしたのが、大同特殊鋼の顧問で、名城大学の特任教授・佐川眞人さん(82)です。

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世界最強の磁石と言われる「ネオジム磁石」を発明していて、高校生たちからはサイン攻めに遭っていました。

高校生:
「結果が出るか分かっていなかった時に、どのようにして続けようと思ったんですか?」

佐川眞人特任教授:
「いい方向に行くためにどうしたらいいかって、色々アイデアを出してやってみる。やってみる前に、頭の中でやってみるというのができたら1番いいですよね」

■10月6日の「生理学・医学賞」有力視される名城大・森和俊特任教授

6日間にわたるノーベル賞ウィーク、10月6日午後6時半に口火を切るのは「生理学・医学賞」です。有力視されているのが、名城大学の森和俊特任教授(67)です。

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森さんの功績は、細胞の中に異常なたんぱく質がたまるのを防ぐ「小胞体ストレス応答」の仕組みを解明したことで、筋肉が徐々に動かなくなる難病「ALS」の治療にも役立てられる可能性がある研究です。

10月1日、薬学部の1年生らに講義を行いました。

薬学部1年生ら:
「発展的な話で、これからやることがより楽しみになりました」
「『なぜこうなる?』という探究心がすごくある方なので、ノーベルに近づいていったすごい人だなって」

森和俊特任教授:
「今日は楽しかったですよ、たくさん質問もしてくれたし。寝てる子もおるなと思いながら…」

森さんは2025年6月、ノーベル賞について聞かれた際に、こう答えています。

森和俊特任教授(2025年6月):
「狙って取るものでもないし、与えられるもので。研究を続けるしかないんじゃないですかね」

■10月6日の受賞予想は…科学ライター・荒舩良孝さんに聞く

2023年、2024年と2年続けて受賞研究を”的中”させたという、科学ライター・荒舩良孝さんは、“2つの手がかり”をもとに予想をしているということです。

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1つ目は「周期性」。必ずではありませんが、「生理学・医学賞」と「物理学賞」には、受賞分野に周期的な繰り返しが見られるということです。

「生理学・医学賞」について、荒舩さんは「2024年は基礎研究に近い分野だったので、2025年は臨床医学に近い分野が来るのでは」と予想しています。

2つ目の手がかりは、ノーベル賞の前哨戦と言われる「国際的な賞の受賞歴」です。論文の引用数などに基づいて贈られる「クラリベイト引用栄誉賞」などの受賞歴にも注目しています。

これらを踏まえ、10月6日の予想をしてもらうと、筑波大学の柳沢正史教授を挙げました。睡眠研究の大家ですが、実は岡崎市の基礎生物学研究所で1年間学んでいたことがあり、東海地方にもゆかりがあります。

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科学ライターの荒舩良孝さん:
「『オレキシン』を発見した柳沢正史先生。すごく基礎的ではあるんですけども、近年の睡眠の治療薬、臨床としても使われている薬が出てきた。いつ受賞してもおかしくないなと思っています」

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また東海地方では、生物の細胞同士をつなげる分子「カドヘリン」を発見した名古屋大学特別教授の竹市雅俊さんや、同じく名古屋大学客員教授の小川誠二客員さんなどが候補者に名を連ねています。

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