世界的なゴリラの研究者として知られる山極壽一京都大学前総長らが「大屋根リング」をリングのまま保存することを求める要望を吉村洋文知事らに送ったことを明らかにしました。

山極氏ら関西の7つの大学の理事や総長らは大屋根リングについて「世界的な分断や対立が生じるなかで、『多様でありながら、ひとつ』の理念を体現した大屋根リングは、必ずやパリのエッフェル塔や70年大阪万博の太陽の塔と同様に万博レガシーとして高い評価がなされる」とし、リングとして保存することの意義を強調しました。

その上で山極氏らは「そのまま残すことにこだわっているのではなく、出来るだけ多くの部分を残しやむなく解体された部分には建物を創り、その中にリングと同様の歩行デッキを確保して、実質的にリングを一周回遊できる状態にしたい」と提言しました。

■万博跡地利用「大阪だけで判断するものではなく世界の叡智集めて」

また山極氏らは「万博会場に入りたくても入れなかった人が大勢いる」として、閉幕後も数カ月は大屋根リングを開放し入場料を保存費用に充てることも提言しました。

要望は吉村知事や横山市長関経連などの経済団体や万博協会あてになされたもので、山極氏らは「跡地の利用が大阪市の主導で決まろうとしている今、そこに私たちアカデミアの意見が反映されていない」ことは残念だとし、「大阪だけで判断するものではなく、日本のみならずグローバルな叡智を集めて100年の計で決めていかねばならない」と指摘しました。

関西テレビ
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