前大会のサマーカップ後、右のシンスプリントを痛めてしまい、「2週間ほどジャンプを跳んでいなかったので不安があった」と話す山田。

2年ぶりに表彰台の頂点に立った山田(近畿選手権)
2年ぶりに表彰台の頂点に立った山田(近畿選手権)

そんな中、ショートでは冒頭3回転ルッツ3回転トーループのコンビネーションジャンプを回転不足ながら着氷。

その後も持ち味の高さのあるジャンプを決め、「試合で後半のループを降りられたことは成長」と振り返った。1音1音を丁寧にとらえながらもスピード感のあるスケーティングで会場を魅了した山田はショートで首位に立った。

山田のフリーは鈴木明子さん振付のプログラム(近畿選手権)
山田のフリーは鈴木明子さん振付のプログラム(近畿選手権)

続くフリーは鈴木明子さん振付の新プログラム『アメリ』。

サマーカップのあと急ピッチで作ったため完成したのは大会の2、3週間前のようで、今大会で初披露となった。

冒頭3回転ルッツ3回転トーループのコンビネーションジャンプを加点の出来で成功させるも、後半のジャンプで転倒し、「慣れていない部分もあってちょっとジャンプ乱れがあって、ちょっと悔しい結果になりましたが、優勝できたので西(西日本選手権)までにちゃんと滑り込んで改善したい」と振り返った。

平昌五輪シーズンの坂本花織の演技を見て、「すごくいいなと思って、使いたいと思っていた」と選曲した『アメリ』。理想に近づけていくために、今大会後ブラッシュアップする予定だ。

「悔しいけどこれから改善できるところがたくさん見つかった」と気持ちはすでに西日本に向いている山田。「西日本ではルッツのエッジやスピン、ステップなどのレベルをしっかりとって楽しんで滑れたらなと思います」と意気込んだ。

力強いスケーティングでショートを披露した松浪ひかり(近畿選手権)
力強いスケーティングでショートを披露した松浪ひかり(近畿選手権)

2位は松浪ひかり。

ショートは『Never Enough』の壮大な曲に合わせ、力強いスケーティングを披露。

「ジャンプ以外のスピンやスケーティングのところを去年よりも強化している」と話す松浪は、「去年はノーミスで今年よりも点数が低かったので去年よりスケーティングができるようになっているのかなと思います」と成長をかみしめた。

美しいロングスパイラルで魅了した松浪ひかりのフリー(近畿選手権)
美しいロングスパイラルで魅了した松浪ひかりのフリー(近畿選手権)

フリーではショートでミスのあった3回転ルッツ3回転トーループのコンビネーションジャンプを成功させるとその後も大きなミスなく滑りきり、フリー1位の108.33点をマーク。合計点は1位とわずか0.01差だった。