春高バレー県代表決定戦の注目校紹介の2回目は鶴岡工業・男子。
部員の約半数を未経験者が占めるチームを引っ張るのは、別の種目で全国出場を果たした3年生だという。
鶴岡工業高校バレーボール部。
現在の部員は11人。その約半数の5人が高校入学後にバレーボールを始めた選手。
(オポジット178センチ・2年生・五十嵐陸人選手)
「部活動見学の時にバレー部を見学に来て、先輩たちが良い雰囲気でやっていて、自分もやってみたいと思った」
(オポジット166センチ・1年生・平山雅久選手)
「中学校に男子バレー部がなくて、けっこう難しいが慣れれば楽しさもわかる。先輩も優しいので頑張れる」
(小山剛史監督)
「初心者の選手が入ることによって経験者の刺激になって、お互い切磋琢磨する。非常に良い状況で活動できている」
鶴岡工業はこの春、県高校総体で躍進。
準決勝で、優勝した山形中央に敗れはしたものの3位に入った。
そんなチームを支えるのは3人の3年生。
キャプテンでエースの安野響(ひびき)選手。
身長185センチ・最高到達点は3メートル25センチ。
クロスよりさらに鋭い角度でボールを打ち込むインナースパイクと、強烈なサーブを武器にチームを引っ張る。
(アウトサイドヒッター185センチ・3年生・安野響選手)
「どんなトスでも決められるようなパワーも器用さもあるプレーヤーだと思う。エースとしてのプレッシャーはないが、しっかり責任を果たせるプレーヤーになりたい」
さらに、アウトサイドヒッターとしてスタメンに名を連ねる伊藤大悟選手は、ここ一番で見せるブロックと安定したレシーブでミスの少ないプレーが特徴。
伊藤選手は高校からバレーボールを始めた選手の1人。
(アウトサイドヒッター179センチ・3年生・伊藤大悟選手)
「高校からはじめた分、スパイクよりレシーブに力を入れてきたので、今まで練習してきた成果を試合で発揮できるよう頑張りたい」
伊藤選手と安野選手。
実はこの2人は別の種目で全国の舞台で戦ったコンビでもある。
それは「ビーチバレー」。
鶴岡工業では基礎技術の向上や試合のかけ引きなどを学ぶため、ビーチバレー種目にも積極的に取り組んでいる。
(小山剛史監督)
「“自分で拾ってトスを上げてもらって自分で打つ”というバレーボールの基本をしっかりつかむという要素が一つ。それと“視野の広さ”“かけ引き”などを学ぶ絶好の機会と考え、鶴工として取り組んでいる」
2人は、国民スポーツ大会の東北予選で準優勝し本大会への出場を果たすなど、ビーチバレーで2度全国の舞台を経験している。
(伊藤大悟選手)
「全国大会はなかなか経験できないので、とても良い経験だった」
(安野響選手)
「ビーチバレーで、体の使い方やネット際の処理・攻撃の仕方も自分ではうまくなったと思う」
さらに、もう1人の3年生・丹野颯(はやて)選手。
もともとは攻撃的な役割のオポジットだったが、ボールタッチを評価され2年次からチームの司令塔・セッターを任されている。
(セッター168センチ・3年生・丹野颯選手)
「ボールの下に入ること、足の動き・トスの振り方・基礎の部分がすべて違うので苦労した。時間差やバックアタックなどコンビが決まるところを見てほしい」
経験不足をビーチバレーで培った“技術”や“戦術”で補う鶴工バレー部。
県総体の勢いそのままに決勝進出を目指す。
(安野響選手)
「全員の集大成だと思うので、ベスト4で満足するのではなく、県でもしっかり勝てるようなチームになりたい。目標は県大会1位です」
鶴岡工業・男子は10月11日の初戦で新庄北と対戦する。
注目校紹介の3回目は東海大山形・女子。