ようやく暑さが落ち着いてきましたが、今年は本当に暑い夏でした。
県内では10月2日も30℃以上の真夏日となったところがあり、西都市では10月2日で今年の真夏日が過去最多の99日となりました。

この暑さの影響で牛乳の生産量が減っています。
新富町の松浦牧場です。
松浦千博さんは、この牧場の2代目として父親から牧場を引き継ぎました。
年間およそ700トンの生乳を生産しています。
松浦さんから見たこの夏の生産量は…

(松浦牧場 松浦千博社長)
「夏場がめちゃめちゃ暑かったので、例年に比べると2割くらい生産量が減っています」
「うちの牧場だと、2年前とかだと30キロくらい1頭の牛から生産していたのが、現在24キロとか。なので2割くらい減っています」

生産量は去年も暑さで落ち込みました。
今年の生乳の1頭あたりの1日の平均生産量はおととしと比較するとおよそ6キロ減っていると言います。
九州生乳販連によると夏休みが終わり学校給食が再開し、需要が増える中で猛暑が続き、生産量が回復せず九州全体で不足している状況だといいます。

スーパーでは…

(ショッピングのだ 野田京介さん)
「一部出荷調整がかかっているものもあるんですけれども、ご覧の通り在庫はまだあるので大丈夫かと思います」

牛乳の生産量の減少に拍車をかけているのが離農です。

(松浦牧場 松浦千博社長)
「まずは農家の高齢化、あと設備の老朽化もあるし、今だとコロナからの物価高騰がずっと続いているので、なかなか牛乳の値段が上がらないけど、物価は上がってて、電気代とかエサ代とか。なかなか利益が出ないというところで、離農を決意する人が増えています」
「(飼料の値段は)コロナ前からすると、2倍くらいに上がって、そこからちょっと減ってるけど、ずっと高いままだなっていうイメージです」

今の牛乳の販売価格、生産者から見ると…

(松浦牧場 松浦千博社長)
「今の価格は、やっぱりまだまだ安いかなと感じています」
「物価に応じて牛乳の値段も上がってくれると、農家も経営しやすいし、安心して国産の製品が飲めるので、そちらのほうがみんなにいいのかなと感じています」
「1キロ200円とかで取引してくれると、多分もっと良くはなってくるのかなと思います」

こうした厳しい中でも松浦さんが酪農を続けるのは…

(松浦牧場 松浦千博社長)
「うちの牧場だと、牧場体験を通して、命の循環をいろんな方に知ってもらいたいんで、生産されている食べ物、牛乳に限らず野菜でも、どういう風にできているかをいろんな人たちに知ってもらいたいなと思って経営をしています」
「やっぱり牛乳は生ものなので、やっぱり地元で生産されて、一番フレッシュな状態を飲むのが一番おいしいので、地元に根差した酪農があって、おいしい牛乳を飲めるっていうのが一番幸せな環境かなと思います」

長引く暑さが牛乳の生産量にも影響しています。
現在酪農は生産者の高齢化もあってその数が減っています。

県内の酪農家の数です。
5年前には229戸ありました。
それがこの5年間で2割42戸減って187戸となりました。
生産基盤をどう守っていくか消費者も一緒になって考えていきたいですね。

メーカーが十分な量を販売できるようになるのは先になる見通しですがこのところ気温も下がっているので生産状況も回復傾向だということです。

テレビ宮崎
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