【原竹アナウンサー】
野上さん、「ずうし」という郷土料理を知っていますか?
50年以上前に、佐賀や長崎で広く食べられていたそうなんですが、正直聞いたことはないですよね。一体どのような料理なのか?
取材すると、実際に今も食卓に並ぶ家庭がありました。
【鈴木悠斗リポート】
「みなさん『ずうし』知っていますか?調べるとこの唐津、九州各地で食べられていたとされる郷土料理だということです。県民のみなさんがどれだけ知っているのか聞いていきます」
Q.ずうしご存知ですか?
【唐津市在住】
「残念ながら知らないですね」
Q.聞いたことはないですか?
「今、初めて聞きました」
Q.ずうし聞いたことありますか?
【唐津市在住】
「ないです」
「ないです」
Q.どういったものを想像しますか?
「牛」
「確かに強そう」
Q.「ずうし」何を想像する?
「全然思いつかない」
Q.「ずうし」って聞いたことありますか?
【鹿島出身】
「ないです。置物みたいな?こけしみたいな」
【鈴木悠斗リポート】
「10組ほどインタビューをしてきたのですが、ずうしを知っている方は一人もいませんでした。ただこの『ずうし』を商品化したいと取り組む高校生が唐津市にいるということで今から向かいます」
誰も知らない『ずうし』を商品化?!
そんな無謀とも思えるチャレンジをするのが早稲田佐賀高校3年生の4人組
『ずうし』について、有力な1つの“説”があるといいます。
Q.ずうしってどんな食べものなんですか?
【塚本佳さん】
「佐賀県内各地で70歳以上の方々が幼少期のときに食べていた郷土料理。投書によると、『ぞうすい』が『ずうし』になったのではないかという意見が多かった」
さらに、「ずうし」は地域や家庭によって形が変化していた可能性も。
【塚本佳さん】
「“炊き込み”や“ぞうすい”だったり形が色々あります。季節によっても具材が変化するようで自由度の高いものです」
早稲田佐賀高校の生徒は、今年8月に行われたプレゼン力を競う全国大会に「ずうし」を題材にして出場。777チームの中から最優秀賞に選ばれました。
4人がずうしを初めて聞いたのは、去年の夏ごろ。しかし、「ずうし」の情報収集には、かなり苦労したと話します。
【佐藤杏奈さん】
「最初『ずうし』という言葉を聞いた時になんだろうと思ってネットで調べてみたら全然出てこなくて調べるために新聞に投書した」
すると学校には、15件の電話と14通の手紙が。
中でも思い出深い電話がありました。
【山田麻美子さん】
「私自身電話をする機会はなかったので凄く緊張した。開口一番に『一緒に作る?』って言っていただいて温かい気持ちになった」
電話をかけたのは、神埼市に住む橋本幸子さん77歳。
【橋本幸子さん】
「小さい時から食べている。兄弟みんなで食べていた」
Q.なぜ高校生に電話した?
【橋本幸子さん】
「母のことがパッと浮かんだ。母の味・ふるさとの母の味。それで思い出して偶然にもつい電話をかけた」
では、お見せします。実際に、いまも佐賀の食卓に並んでいる「ずうし」がこちら!
【鈴木悠斗】
「おおー!これがずうしですか?」
【橋本さん】
「昔ながらのずうし」
橋本さんが作る「ずうし」は、炊き込みご飯。
にんじんやごぼう、鶏肉が使われ、具材のうまみを感じる優しい味が特徴です。
【鈴木悠斗】
「いただきます。めちゃくちゃおいしい。しいたけの出汁なのか甘みが感じられる。もっと広まってほしいですね」
調味料は、乾燥しいたけを戻すときの出汁やしょう油など。みりんなどは使わず、懐かしさを感じる味付けです。
【橋本幸子さん】
「高校生が受け継いでくれて商品化するということでその味をみなさんに食べていただいて、良かったと思ってもらえればうれしい」
【大藤和実さん】
「私たちは、来年の3月に卒業するので、卒業までに第一回の高校生喫茶と商品化を目指して活動をしている。頑張ります」
改めて、ずうしとは、商品化を目指す早稲田佐賀高校によると、県内各地で70歳以上の方々が幼少期のときに食べていた郷土料理ということです。
形は地域や家庭によって味が違います。
そして、高校生は現在商品化に向けて奮闘していて、「ずうし」をメインとした喫茶店を来年の2月に唐津駅周辺で開きたいということです。