外国の運転免許証を日本の免許に切り替える外免切替の制度が10月1日から厳格化されました。外国人の交通事故減少が期待される一方、県内で暮らす外国人からは「今まで簡単すぎたという誤解が広がってほしくない」という声も聴かれます。
福島流星 記者:
きょうから外免切替の制度が厳格化されるということで、こちらの会場には切替を希望する外国人に向けて職員が説明を行っています
職員:
在留資格や在留期間などが記載された住民票の写しを持ってきてください
10月1日、静岡市葵区の中部運転免許センターで開かれた説明会には外免切替を希望する人たちが参加し、必要な書類や今後に試験の流れについて確認していました。
そもそも外免切替とは外国の運転免許証を持っていれば試験の一部が免除され、日本の免許証に切り替えることができる制度です。
問題点としてあがっていたのが、観光客などの短期滞在者がホテルなどを住所として申請できたほか、知識のテストはイラスト問題を10問中7問正解すれば合格だったこと。
さらに2025年5月、三重県の新名神高速道路でペルー国籍の男が運転する車が逆走し、車2台と衝突する事故が発生。
埼玉県でも中国籍の男が運転する車が小学生の列に突っ込みケガをさせました。
いずれも運転手が持っていたのは外免切替による免許証でした。
こうした状況を踏まえ、警察庁は制度の厳格化を決定。
今後は申請時に住民票が必須となるほか学科試験は50問に増やし正答率も9割が求められます。
1日の学科試験に合格したのは11人中6人でした。
合格したマレーシア国籍の男性:
とにかくネットで調べて日本人が受ける試験と同じような対策をした。(事故を)防止するためだと信じているので頑張って対応するしかない
不合格だったブラジル国籍の女性:
娘がいるので送り迎えや通勤に免許が必要。もう1回テキストなどを見ながら勉強したい
県内で暮らすベトナム人や地域との交流を図る在県ベトナム人会の会長・ドアンさん。
これまで県内に住むベトナム人50人以上の外免切替をサポートしてきました。
今回の厳格化に賛同する一方これまでの試験が「簡単すぎる」ということはなかったと話します。
在県ベトナム人会・ドアン会長:
私も外免切替で日本の免許証を取りましたが、7回目の実技試験で合格した。他の人に聞くと十何回(受けて合格した)人もいるので(これまでも)簡単ではない
外免切替の試験は知識確認だけでなく、試験官を隣に乗せ実際に車を運転する技能試験に合格する必要があります。
一時停止や安全確認など試験官によるチェック項目は多く、県警によりますと2024年、県内では約9000人が試験を受けましたが、合格率は2割ほどにとどまっているということです。
県警運転免許課・渡辺友将 管理官:
合格率は下がると思うが、日本で安全に運転するには必要不可欠な知識と技術なのでしっかりと身につけて受験して欲しい
関係者の間では制度の厳格化により「合格率は1割にも満たないのでは?」との声もきかれる今後の外免切替。
ただ、外国人にとっても県内で暮らしていくには自動車は必需品です。
ドアンさん正しい知識と技術を身に着けた人が確実に運転できるよう、「自動車学校に通うことをより勧めていきたい」と話します。
在県ベトナム人会・ドアン会長:
通訳がいる自動車学校も増えているので。運転手としての義務は知ってもらわないといけないから大変だが日本のルールを知って免許証を取って運転してもらいたい
車はひとたびハンドルを握ればそこに国籍は関係ありません。
全てのドライバーに安全運転が求められています。