国内最大級の竜巻が静岡県牧之原市などを襲ってから10月5日で1カ月です。復旧・復興に向け、被災地の現状はどうなっているのでしょうか?
光田有志アナウンサー:
災害からおよそ1カ月が経った牧之原市です。発災直後は電柱が折り重なっていたこちらの通りですが、現在はおおむね片付けられ、車もスムーズに通行できるようになっています。一方で付近の住宅を見てみますと、足場が組まれていたり屋根にブルーシートが張られていたりして、まだ災害の爪痕というのが色濃く残っています
牧之原市では10月3日、市や周辺の自治体から派遣された職員による被災した住宅の調査が続いていました。
一方で、解体が進められている住宅やすでに整地作業に入っている場所も。
復旧・復興へ向け少しずつ進んでいます。
9月5日、台風15号の接近に伴い発生した竜巻。
牧之原市や吉田町を推定・風速75メートルの国内最大級の竜巻が襲いました。
吉田町では車が横転し、乗っていた男性が死亡。
牧之原市内では1000棟を超える住宅で被害が出ています。
被害の大きかった牧之原市細江に住む池ヶ谷透矢さん。
祖母と母と3人で住んでいた住宅は市の調査で大規模な補修をしないと住み続けることが困難な「大規模半壊」に認定されました。
9月5日の竜巻では屋根が抜けてしまい、中がむき出しの状態に。
すぐに足場を組んで復旧作業に取り掛かかりましたが、数日間続いた停電に加え暑さもあり思うように進みませんでした。
自宅が被災した池ヶ谷透矢さん:
(当時)ここ全部ガラスとか割れて水浸しになったので、床もふかふかになったり抜け始めたりしています
池ヶ谷さん家族は家の解体を予定しているものの、費用の負担について市から補助金など明確な回答が得らておらず、いつから始められるか不明です。
発災後は親族の家に身を寄せていましたが、家族のアレルギーなどもあり10月2日から自宅に戻っています。
ただ、安心して住めるような状況ではなく、市が一時的にアパートを借り上げるみなし仮設住宅の活用を検討していますが、不動産会社とのやりとりなど手が回っていないといいます。
自宅が被災した池ヶ谷透矢さん:
(自宅の解体で)仮住まいやアパートは必須になり、それを探しながらまず家の片付けができていないのでそれをやるなど、同時進行でやらなければいけないことがたくさんある
市は被災者のニーズに応えるため、仮設住宅の建設も検討しています。
復興に向けて確かな歩みも…。
榛地織物・榛地研一さん:
まだ屋根がブルーシートなので風や雨が心配なんですが、それさえなければ、ほぼほぼ日常的な仕事をしています
県西部の伝統産業、遠州織物の織元・榛地織物。
工場の瓦が飛ばされ雨漏りもありましたが機織り機には大きなトラブルはなく、発生から1週間後に稼働させました。
牧之原市のふるさと納税の返礼品にも指定されている榛地織物は、支援の一環としていま返礼品に選ぶ人も増えているということです。
榛地さんは再開に向け、手を貸してくれた人や支援してくれる人たちへの思いに応え前を向きたいと語ります。
榛地織物・榛地研一さん:
いつも普通に買ってくれるお客さんがふるさと納税を通して買ってくれる。本当にありがたい。(ふるさと納税で)行政にもお金が入るので。とにかく建物を修繕して雨にも風にも大丈夫な形にしたい、それで安心できるので。今やっている仕事を、日常を取り戻して、新しいことにもチャレンジしていきたい
国内最大級の竜巻被害からまもなく1カ月。
復旧への歩みはまだ道半ばです。