動物との触れ合いを通じて、癒しや安心感などを得るアニマルセラピー。静岡県富士市の病院では患者たちの治療に役立てようと、導入に向けた調査が行われました。

犬のサーカス団「わんわん大サーカス」のパフォーマンスを楽しんでいるのは富士市のリハビリ病院の患者です。

動物との触れ合いを通じて人々の心を癒す「アニマルセラピー」の一環で行われました。

患者:
家にもいる、愛犬が。家に帰った気分になった。ちょくちょく見たい

患者:
こういう中(病院)に入ると動物と触れ合う機会がない。十分に癒された時間

患者の心を落ち着けたり、ストレスを軽減したりする効果が期待されているアニマルセラピー。

静岡市葵区の県立こども病院では、闘病中の子供たちに寄り添い、検査や治療のサポートをするために専門的に訓練された「ファシリティドッグ」が活躍しています。

海外ではこうしたアニマルセラピーを「治療」として認めている国もありますが、日本ではいまだに認知度が低いのが現状です。

常葉大学健康科学部・熊坂隆行 教授:
精神的な効果、うつ病や少し不安が強い患者が動物と一緒にいることでリラックスする、そういう効果が一番期待できる

こう話すのはアニマルセラピーの研究をしている常葉大学の熊坂隆行 教授です。

犬との触れ合いが患者に対してどのような効果をもたらすのか。

触れ合う前後で表情や手の動きなどを確認したほか、唾液の分泌量からストレスの変化を測定しました。

今回の調査では笑顔と手の動きは増えたものの、ストレス検査は患者によって効果にバラつきがみられ、熊坂教授は動物との関わり方とその効果について今後も調査を続ける考えです。

常葉大学健康科学部・熊坂隆行 教授:
いろいろな病院でやれる環境を増やしていきたい。海外では行われている動物介在療法。医師が処方して薬のようにアニマルセラピーが処方される時代を期待してこれからも研究に励みたい

動物との触れ合いが治療の一助に。こうした取り組みが今後、国内でも広がっていくかもしれません。

テレビ静岡
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