仙台市は増加傾向にある保育士の離職を防ごうと、9月29日、相談窓口を開設しました。保育の現場は慢性的に人手が不足していて、人材をいかに定着させるかが課題となっています。

仙台市若林区にある認定こども園、「ろりぽっぷ保育園」。

「足をピッとつける。うまい、うまいじゃん」

保育士の仕事を始めて5年目の瀬川玲志さん(28)です。仕事に慣れるまでは、不安な日々が続いたと話します。

瀬川玲志さん(28)
「1年目、2年目の頃って自分の保育のやり方も分からないし、先輩達がうまく保育しているところを見て、ふがいなさを感じることが多い」

子供たちが安全に健やかに過ごせるように。知らず知らずのうちに、プレッシャーは大きくなっていったそうです。

瀬川玲志さん(28)
「ほかの先生に頼ることができず、個人で抱えていることが多かった」

この保育園では、常駐でカウンセラーを配置したり、先輩保育士によるサポート体制を整えたり、離職を防ぐために独自の取り組みを行っています。

ろりぽっぷ保育園 高橋恵美園長
「相談が来たときには深刻になっていることが多いので、どうしたらいいか本人が思っている段階でアプローチをかけることを心がけている」

慢性的に続く保育の現場の人手不足。仙台市が市内の約350の保育施設にアンケートした結果、2023年度の離職率は15.1パーセントで、ここ数年、上昇傾向になっています。

現場を離れる理由はさまざまですが、貴重な人材をつなぎとめようと、仙台市では、9月29日から匿名で相談できる、専用の電話窓口を開設しました。

市が委託した保育士や臨床心理士が対応することになっていて、こうした相談窓口が設置されるのは、これが初めてだということです。

仙台市こども若者局運営支援課 加藤隆一課長
「体調であったり、人間関係だったりが離職の上位の理由。保育の仕事は未来を担う子供たちを育む大事な仕事。気軽に利用してもらいたい」

仙台放送
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