航空自衛隊のトップ、森田雄博航空幕僚長は29日の会見で、F-2戦闘機の訓練飛行の見合わせを解除したと発表した。
F-2戦闘機を巡っては、8月7日、茨城県にある百里基地の沖合約150kmの太平洋上で、訓練中だった航空自衛隊のF-2A戦闘機が墜落する事故が発生。パイロットは「エンジン推力が低下した」との連絡後、緊急脱出し、命に別条はなかった。この事故を受け、航空自衛隊は、すべてのF-2戦闘機の訓練飛行を見合わせていた。
事故発生後、航空自衛隊は、すべてのF-2戦闘機に対し、内視鏡カメラを用いてエンジンの内部に損傷や亀裂等の異常はないことを確認するほか、不意にエンジン停止に至らないことを確認するなどの特別な点検を実施した。
また、操縦者について、安全管理やエンジン不具合時の緊急脱出に関する教育を実施した。
森田空幕長は会見で、「点検や教育の完了をもって、航空自衛隊として、飛行の安全が十分に確保されたものと判断し、本日9月29日からF-2の訓練飛行の見合わせを解除する」と発表した。
墜落事故の調査が継続している中、訓練飛行を再開することについて森田空幕長は、「操縦者の技能維持や新規操縦者の養成を行う上で訓練飛行を行うことは不可欠」と強調した。