サッカーJ3・高知ユナイテッドは秋田豊監督による選手やスタッフへのパワハラを認定。9月23日、秋田監督の退任と新しい監督に白石尚久さんが就任したことを発表しました。白石新監督は就任会見に臨み、次のように発言しました。
初印象は「すごく前向き」
今日、初めて練習をさせていただいたんですけれども、選手のハードワークする姿と、いいハートを持った選手が多いので、すごく前向きなファーストインプレッションを受けています。
私は海外での指導経験が長く、日本でなかなか指導する機会がなかったんですけれども、こういったチャンスをクラブ及び社長に頂き大変感謝しております。
これから選手及びスタッフと一緒に残り10試合、戦っていきたいと思いますので、是非、応援のほどをよろしくお願いいたします。
海外での指導経験を生かしたい
僕はサッカーを始めたのが遅かったんですけれども、サッカーに対する情熱はあったので、そこからサッカーのキャリアをスタートして、選手としては成功しなかったけど、そのまま指導者に入りまして、そこで新しい自分の目標、人生の目標を見つけて、指導者に転向していったということです。
ヨーロッパでは17年ぐらい、南米でも住んでいたんですけれども、日本も世界の1つで、ヨーロッパでプレーしている日本人選手も何人か指導していますので、日本人選手の良さはしっかり把握しております。
そういった経験を踏まえて、いろんな国でいろんな文化にアダプトしながら指導してきましたので、いろんな引き出しが選手に対して提供できると思います。
ヨーロッパ、特にスペインが長かったんですけれども、アカデミーからトプチームまで経験させてもらって、その後、個人分析官として、パフォーマンスアナリストですね、分析と個人のトレーニング、インディビジュアルトレーニングというのを選手に落とし込んでいくトレーニングを代表選手に対してしていたんですけれど、その後またチームのアシスタントコーチに入って、今、ここまで来たということになります。
高知の選手は「ハートのある選手」
今までの試合を何試合か拝見して、映像の中ですが、各選手の個人の能力の雰囲気というのはつかめています。
ただ、今日、トレーニングの中で実際に目で見る中で、選手とかスタッフの方からさらに深い情報をもらって、深く掘り下げていきたいと思っています。
ただ、今日の第一印象では、選手はハードワークするというメンタルがあります。
あと、試合を見ていても思ったんですけども、どんな状態でも選手は諦めないです。90分間プレイする。
特にペナルティエリアの中で、身を投げ出してもボールを止めにとか、走るとか、そういったプレーを僕は見た時に、このチームだったら鍛えればもっと強くなるという気持ちを受けています。
結論から申しますと、高知ユナイテッドの選手は、ハートのある選手だと思っています。なので、戦えるチームというそのベースはあると思います。
まずは残留「サッカーのみに集中を」
皆さまのご存知の通り、結果が今、どうしても大事だというところで、まずは今シーズン必要なのは残留をすることで、そこを直近の目標にしています。
なので、スタッフ及び選手には、その目標にまい進するためにサッカーのみに集中してもらいたいと伝えています。
今後の目標としては、もちろんまずは残留した後に考えますので、そこまではまだ考えていないです。
まずは今何をしないといけないかというと、サッカーに集中すること。あと選手は勝つための準備をすること。
選手はプロですので、勝つために練習してプレーしますので、勝つための準備をしてもらう。
それはメンタルしかり、フィジカルもしかり。
戦術の理解だったりとか、それこそ食べることですよね。あと寝ること、睡眠を取ること、そういったプロとして、当然の毎日の習慣ですね。そういったところをきちっとやってもらいたい。規律を持ってやってもらいたい。
巻き返しに必要なもの
1つは、ピッチの中で、戦える選手です。メンタルとして、負けていても引き分けていても、勝っていても必ず勝ち切るというメンタルですね。1点ビハインドでも点を取って勝ちに行くメンタルを選手が持つことが大事です。
技術はもちろん、プロなので重要な要素になってきますが、プロの中で一番大事なのは勝つための要素といういう上で、勝つメンタリティですね。
諦めないことと、闘争心。ピッチでそれを体現するのは選手であって、それがないと勝てないです。なのでそこを全面的に追求したいと思います。
指導ライセンスについて
僕が日本のライセンスを取ったことはないので、ちょっと比較することはできないんですけも、ライセンスと監督の技量っていうのは、全然、別のものであって違うものなんです。
ヨーロッパで学んだことは、日本人の特性である規律ですね。ディシプリンがありますので、規律と、あと日本人選手は真面目にハードワークをしますので、それを掛け合わせていくと、多分、いい結果が出るんじゃないかと。
1番大事なのは選手個人が、ピッチ内で戦うという意識を持つことです。
それがないと、今後、若い選手が、今日見た中でもポテンシャルのある選手がいるんですけど、将来海外でプレーするようになった時に、違った環境の中で戦う上では、そういった気持ちがないと戦えないです。
だったら今戦わないと将来は戦えないと思うんで、今それをやることが必要だという理解をしてもらいたいです。そういったところを意識付けしていくということですね。
それが、ヨーロッパで各国見てきた中で、日本人、日本代表選手にも指導をしたこともありますけれども、共通して持っているのは、やっぱりそういうプロ意識ですね。
あと、戦う意思と、中に燃えるものですよね。そういうものがある選手が結局競争の中で勝ち残っていきます。そういった意識付けというのがヨーロッパで学んだところ。選手に落とし込んでいければと思います。
前監督のパワハラ問題について
過去のことについては、クラブのことなので、僕はコメントというよりも、ここに来たのは、まずはチームに貢献して、結果を残していくというところにフォーカスしていきたい。
もちろん選手に要求するというのは、ピッチ内でのハードワークをするというところは、テクニカルサイドのところでは、要求していきたいと思いますけれども、そういった中で選手にはたくさんコミュニケーションを取るというところをしていきたい。
子供たちに夢を与えるサッカーを
サッカーというのは“ミスで成り立つスポーツ”です。なので攻撃とディフェンスがあります。
ただ、ミスをしても自分たちが自信を持って挑戦した選手の姿勢と、ミスをしたうえで、そのミスをどうチームでカバーしていくか、といった姿勢を、高知ユナイテッドのアカデミーの選手だったりとか、サッカーの好きな方たちに見てもらって、そういった、ボールのないところでもハードワークをするといったところを見せていきたい。
攻撃的なサッカーをやり、綺麗なサッカーをやり点を取る、すごい面白いサッカー、よくテレビで見ますけれども、それだけではなくて、目標というものを設定した後に、それに対して努力をして物事を掴み取りに行くところを見せていって、皆さんに、子供たちにも夢を持ってもらって、それを、ピッチを見ながら夢に努力していくという姿勢を、サッカーの好きな子供たちには、選手の方から見せてあげてもらいたいという気持ちがあります。
勝つために…
ピッチで戦える選手です。あとは、チーム内の競争に勝つこと。
実際にプレーする時に、競り合った時とか、要は毎試合ゲーム、ゲームで対戦相手がいますよね。そういったライバルに対して競争意識を持って、全てにおいて勝ち続けること。
1対1の競合であったりとか、テクニックだったり、スピードだったりとか、そういった個々のところでの勝ちにこだわるところ。
競争心と闘争心ですね、そこにこだわっていきたいと思います。
それを植え付けることによって、いずれ勝利はついてくるのではないかと思っています。
まずは戦うための基本的なところをきっちり、まずはマインドセットをしっかり定めて、そこからゲームに挑んでいきたい。
選手との向き合い方
選手とのコミュニケーションを取るのは必要最低限として、やっていきたいと思います。
逆に僕も選手を知りたいですし、選手がどういうことを考えていて、もうちょっというと、選手の好きな食べ物とか、選手の好きな音楽だったりとか、どういう性格なのかとか、そういったところから知りたいと思っていますので、そういったコミュニケーションを取るところからじゃないかなと思ってます。
それと同時に、プロサッカー選手としての規律ですよね。心がまえとか、自己管理とか、そういったところコミュニケーションを取りながらやっていきたいなと思います
高知を選んだ決め手
選手がハードワークするところです。そこがないと、いくら監督がハードワークしたり、スタッフがハードワークしても、選手が動かないと、トレーニングとか試合は勝てないです。
このチームには、ハードワークするという、基本的なプロとしてのベースとなるポテンシャルを見ました。
あと、気持ちでプレーする選手が多い、ハートでプレーする選手が多い。
そういった選手は、ハードワークする選手と、ハートというエモーションですよね。ここがまじることによって、選手の持ってるポテンシャルは最大限に伸びることがよくあります。
その素地が見えたのが私の印象です。なので、是非このクラブで監督をやらせていただきたい、と。
まずは、自分で1回試合を見た時に、自分の目で見てそう感じました。
ボールを持っている時も、持ってない時もアグレッシブなプレーをするサッカーにします。まずは、現実的なところを見ないといけないと思います。その次に、必要な勝ち点を取っていくところを見る中で、それに合わせたサッカーにしていきたいなと思います。