新潟県内でクマの出没が増え、目撃件数は過去最多を更新しています。9月、人身被害が発生した長岡市が警戒本部を設置するなど、自治体は対策の強化を迫られています。

【鈴木登さん】
「手で比べてみて、なおかつ(土に)深く入っている。これはたぶんクマだと思った。向こうから来て、ここまで歩いてきて、これを見たら間違いなくクマ」

畑に残されたクマの足跡について話すのは、十日町市芋川地区に暮らす鈴木登さんです。

9月22日午前8時ごろ、農作物の収穫をしようと畑を訪れた鈴木さんの妻がクマの足跡を発見しました。

その大きさは20cmほどで、畑の近くに置かれた鉄板にもくっきりとその跡が残っていました。

【記者リポート】
「クマと思われる足跡をたどってみると、その先にはキャンプができる広い公園、さらにその近くには温浴施設もあるということで、人通りが多い場所となっています」

幸い農作物に被害はなかったといいますが、鈴木さんは夜間の外出を極力控えるなど気を付けているといいます。

【鈴木登さん】
「対策といっても、クマはどうしようもない。今だと5時を過ぎるとすぐ暗くなる。暗くなったら、あまり外には出歩かない」

県のまとめでは、今年度に入り、これまでのクマの出没件数は1000件を超え、過去最多に。

今年はクマのエサとなるブナの実が凶作となっていることから、エサを求め、人里に降りるクマが増えているとみられます。

長岡市栃尾地区では9月、人身被害が発生しました。

【記者リポート】
「建物から出てきた男性は自宅敷地内でクマと遭遇し、襲われました。男性を襲ったクマはその後、ヤブの中に逃げたということです」

9月15日の夜、40代の男性が自宅の離れから母屋に行こうとしたところ、体長約1.3mのクマに襲われケガをしました。

市によりますと、栃尾地区でのクマの出没件数は去年の倍以上に増えています。

【近隣住民】
「今年は異常。あっちの山に行っても、こっちの山に行っても、クマが出たと聞く」

こうした中、市は“栃尾地域クマ出没警戒対策本部”を設置。不要な果樹の伐採やワナの設置によるクマの捕獲など対策を強化していく考えです。

【長岡市 磯田達伸 市長】
「市街地に出ているというのが今年の特徴・傾向だと考えている。それだけリスクが高い。警戒レベルをさらに上げて対応していきたい」

命の危険にもつながるクマの出没…各地で対策を強める必要性に迫られています。

NST新潟総合テレビ
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