2025年もこの季節がやってきました。

五穀豊穣を願う、鹿児島県の奄美大島・龍郷町の伝統行事「ショチョガマ」と「平瀬マンカイ」が24日、多くの人々に見守られながら行われました。

奄美大島で数少ない田んぼが残る龍郷町・秋名集落の山の中腹に建てられた「ショチョガマ」。

ショチョガマとはわらぶきの屋根のことで、これを倒して稲の神様に2026年の豊作を祈願します。

午前6時すぎ、約100人の男たちが、歌と太鼓のリズムに合わせ「ヨラ、メラ」のかけ声をかけながら、屋根を揺らし始めます。

「ヨラ、メラ、ヨラ、メラ・・・」

柱が少しずつ傾いてきます。

揺らし始めておよそ30分後ー。

屋根は勢いよく倒れ、見物客から大きな拍手が起こりました。

倒れた屋根は稲穂が垂れる様子を表しているとされ、その上で、八月踊りが奉納されて2025年のショチョガマは無事、終了しました。

見物客
「迫力がすごかった、日の出とともに崩れていくのがすごくきれいでした」
「伝統行事を引き継いで観光客もいっぱいで、すごいすてきだと思う」

秋名アラセツ行事保存会・隈元和範会長
「祭りをですね、どうしても私も引き継いでいきたい。集落全体としてこの祭りを守っていきたいと思っている」

また夕方からは近くの海岸で、伝統行事「平瀬マンカイ」も行われました。

白い衣装を身につけた「ノロ」と呼ばれる神職役の女性5人と、補佐役などの男女7人が、海の神様に豊作を祈願しました。

ショチョガマと平瀬マンカイはともに国の重要無形民俗文化財に指定されていて、こうして地元で脈々と受け継がれています。

鹿児島テレビ
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