24日は“あるもの”から作られた世界初の日本酒の話題です。
東京23区で唯一の酒蔵として100年余りの歴史を持つ「東京港醸造」で今回開発された日本酒「江戸開城 空気水仕込」は、通常、地下水などを使用するところ、“空気から作った水”で仕込まれていて、世界初の試みだということです。
それを可能にした空気製水機がお店の中にありました。
こちらの製水機は、空気中にある水分を急激に冷やし、結露させることでできた水をろ過して飲料水ができます。
この水で造られた日本酒を飲んだ記者は、味について「すごく柔らかくてスッキリしている」と話します。
発売から約4週間ですでに300本以上の注文があり、売れ行きは好調だといいます。
東京港醸造 代表取締役・寺澤善実さん:
(相性は)抜群ですね。丸くて優しい味のお酒を造るには、本当に空気中から採取した水というのはすごく適してますね。「名水ないところにも銘酒あり」という言葉を提案しています。
実は、こちらの製水機は被災地でも活用され、2024年1月に発生した能登半島地震では断水が続く地域に製水機を運び、1日に約200リットルの水を作りました。
その水はたき出しなどに利用されたほか、コーヒーを入れて提供もしたそうです。
製水機を開発 株式会社アクアム 代表取締役・河﨑悠有さん:
当時はかなり緊迫した空気感だったので、「久しぶりにホットコーヒー飲んだ」と喜んでいただいてよかったです。
日本酒製造から、被災地での水の提供。
「空気から水を作る」技術は今後も注目されそうです。