22日に告示された自民党の総裁選。
23日、討論会が行われ、各候補者が論戦を繰り広げました。
去年行われた総裁選にも出馬していた5人は、去年からの変化に「少し人付き合いがよくなった」と答える候補者も。
また、自民党県連の女性局長からは「自民党は私たち女性を必要としてますか?」という質問に拍手が出る場面もありました。
■「この一年で変わったことは何か」という問いに候補者は
23日午前、自民党総裁選の5人の候補者は共同会見に臨みました。去年行われた総裁選にも出馬していた5人。
物価高対策などについて意見をかわす中、記者から「この一年で変わったことは何か」と問われると…
【小林鷹之元経済安保相(50)】「この1年間、地方をとにかく回らせていただきました。その現場の熱い思いに触れるとともに、地方議員の方たちの接点がこの1年間で非常に増えました」
【茂木敏充前幹事長(69)】「様々な方々の意見を直接に聞く、こういう機会はできた。去年の総裁選では仲間から『意外と敏充』と言われましたけれど、今は『今こそ敏充』と言っていただいている」
【林芳正官房長官(64)】「アメリカのトランプ政権、トランプ2が始まりました。関税をはじめとして、いろんな対応を官房長官としても関わらせていただいた。この経験だろうと」
■去年に比べ「少し人付き合いがよくなった」と高市氏 小泉氏は「米問題」への取り組みをアピール
【高市早苗前経済安保相(64)】「変わった点は少し人付き合いが良くなったかなと思っております。この1年は無役でした。無役でしたがもうとにかく全国各地週末ごとに歩き続けましたので、たくさんの声を伺うことができた」
【小泉進次郎農水相(44)】「農林水産大臣としては緊急登板でしたが、この米の問題を安定化させよう。生産者・消費者双方が安心できる環境を実現しようと、この急激な展開の中で、農林水産省の職員、この霞が関のチームで一緒になって取り組んできたこと」
■若者・女性にも猛アピール
そして午後から5人の候補者が若者・女性へ猛アピールを繰り広げたのは、自民党青年局と女性局が主催した公開討論会です。
【小林鷹之元経済安保相(50)】「自民党を再起動させる必要があります。その原動力は間違いなく若い力です」
【茂木敏充前幹事長(69)】「(首相になったら)閣僚の平均年齢は今の65歳から10歳若返らせ、3割は女性にしていきます」
■県連女性局長から「自民党は私たち女性を必要としてますか?」という質問も
この討論会の中で、各候補者が代表質問に答えるコーナーがあり…。
【福岡県連 柴山恭子女性局長】「自民党は私たち女性を必要としてますか?私たちは電話や手伝いのためだけに選挙運動をしているのではありません。私たちも明日のよりよい日本のために何ができるかを考え、頑張っているのですが、自民党は女性の力を生かすべき。今後どう考えてありますか。よろしくお願いいたします」
答えではなく、質問に拍手が沸き起こるという異例の展開に。
■各候補者の「女性活躍」についての政策は
【高市早苗前経済安保相(64)】「私の政策構築は女性局の皆様からの声も随分参考になっております。男女ともに全世代総活躍」
【小泉進次郎農水相(44)】「10年間で女性の議員の割合を30パーセントに引き上げるという目標を達成できるよう全力を尽くしていきたい」
【茂木敏充前幹事長(69)】「みんなが男性も含めて全体で解決する課題だと思っています」
【林芳正官房長官(64)】「(女性が)出てきやすいように環境。何らか結果が出るといいなと思っています」
■現役世代の税負担については
さらに、現役世代の税負担については。
【小林鷹之元経済安保相(50)】「所得税改革が必要だと思っています。それまでに少し時間がかかってしまうので、定率減税といって所得税額の一定割合を差し引いていく。そうした税制の改革を設けていくことでしっかりと支えていきたいと思っております」
【高市早苗前経済安保相(64)】「やはり一番効果的だと私が考えているのは、給付つき税額控除でございます。これは控除し切れなかった分を給付するという方法ですから、かなり多くの方々に効果があると思います」
【茂木敏充前幹事長(69)】「年齢区分で今までやってきた。これを応能負担、負担できる人にある程度負担をお願いして、その代わり困っている人、本当に支援が必要な人、子育て世代の負担をできるだけ軽減する」
自民党総裁候補は24日、日本記者クラブでの公開討論会に臨みます。
■「今まで言ってたことと違うようね」ということが繰り返されてきた
「newsランナー」にコメンテーターとして出演したエッセイストの犬山紙子さんは、参院選後に政治的空白を作っていることを、候補者は自覚すべきだと厳しい指摘です。
【犬山紙子さん】「推薦人の女性が数が増えてきたなという点では女性目線ではよかったのかなという印象はあるんですけど、子育て世代としては依然として経済面では厳しんですよね。
政治的空白が参院選のあとからずっと続いているので、生活は全然楽になってないし、私の周りではお金のことがしんどいから、子供をもう一人産むのをあきらめるわという友だちもいるわけです。
この空白を今作っているということを(候補者は)考えて欲しい。
そしてこの先、本当に言ってることやってくれるのかしらという目線もある。『今まで言ってたことと違うようね』ということが繰り返されてきたので、誰が総裁になったとしても国民のほうを向いて生活を楽にして欲しい」
■「給付付き税額控除」経済学者の間でも評価の高い政策だが…
FNN世論調査では「総裁選で議論して欲しいこと」として、以下の結果となりました。
・物価対策など経済政策 39.5パーセント
・年金など社会保障政策 25.2パーセント
経済学者の安田洋祐・大阪大学大学院教授は、高市氏の掲げる「給付つき税額控除」に注目します。
【安田洋祐・大阪大学大学院教授】「物価対策として高市さんが掲げた給付付き税額控除は、実は経済学者の間でもかなりすぐれた課税方式だということでよく言及される方法なのです。
ただ、マイナカードが国民全員に普及していないので、給付金の支給を自動で行うことは今はできない。結局、自治体の職員を使うことになる。
仕組みとしては優れているので、実現に向けて頑張って欲しいが、即効性という面でいうと、ちょっとまだ時間はかかるのかなという印象。スピード感に注目していきたい」
(関西テレビ「newsランナー」2025年9月23日放送)