記録的な猛暑が続いた2025年の夏。福島県では7月26日に伊達市梁川で39.9℃、福島市でも39.2℃、郡山市では37.3℃を記録し、いずれも観測史上1位となった。この記録的な暑さにを漢字一文字とデータで振り返る。

■ベトナムと同等の暑さを記録
視聴者から寄せられたコメントに「今年、海外赴任のベトナムから戻ってきましたが、ベトナムよりも暑く感じました」というものがあった。気象情報を検証したところ、7月・8月の平均最高気温は福島市とベトナム・ニャチャンがともに33.5℃と全く同じだったことが判明。南国ベトナムと同等の暑さだったことが分かった。

■観測史上1位の真夏日数
今年の夏は真夏日(最高気温が30℃以上の日)の日数も観測史上1位を記録した。福島市では85日、郡山市では69日、会津若松市では81日を数え、例年にない猛暑の長さを物語っている。また、日本近海の7月の海面水温も史上1位を記録。この海水温の上昇が各地でのゲリラ豪雨や竜巻、ダウンバーストの多発に影響していると考えられる。

■「長」い夏の実態
視聴者に2025年の夏を表す漢字一字を聞いてみると「梅雨ってあった?というくらい6月から暑く、いまだに暑いので”長”ですかね」とのコメントが。
福島市における旬別(10日ごと)の平均最高気温が30℃を超え続けた期間を年ごとに比較すると、その違いは明らかだ。
- 2021年:7月中旬~8月上旬の3旬
- 2022年:7月下旬~8月中旬の3旬
- 2023年:7月上旬~9月中旬の8旬
- 2024年:7月上旬~9月中旬の8旬
- 2025年:6月中旬~9月上旬の9旬
今年は過去5年で最も長く、まさに「史上最も長い夏」となったのである。

■「酷」暑に「危」険を感じた視聴者たち
さらに「この夏の暑さを漢字一字で表すと?」というアンケートでは、「酷」が50.7%で最多となり、「危」31.6%、「炎」11.1%、「極」6.6%が続いた。半数以上の視聴者が、今年の夏を「酷」と表現したことは、その過酷さを如実に物語っている。
コメントでは「今年の夏を漢字一字でなぞらえるなら”炎”でしょうか」「”辛”とにかく暑さがしんどかったです」との声が寄せられた。

■近く「酷暑日」が誕生するかも?
気象庁は40℃を超える日について「酷暑日」などの名称をつける検討に入ったと発表。今後、気候変動による猛暑が常態化する可能性を考慮した対応と言える。
気象予報士の斎藤恭紀は「最近は五季(春・梅雨・夏・秋・冬)の国だった日本が、梅雨がなくなって春・夏・冬のような三季になってきている」と指摘。気候変動による季節感の変化は、私たちの生活にも大きな影響を与えている。
猛暑だけでなく、その持続期間の長さも特筆すべき今年の夏。来年以降もこの傾向が続くのか、気象の変化から目が離せない。

※2025年9月18日(木)に放送した福島テレビ「テレポートプラス」の天気コーナー「福テレ空ネット」から抜粋した記事です。

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