愛情たっぷり!動物たちの食事事情 もぐもぐタイムに工夫あり
まだまだ暑い日が続いているが、食欲の秋は待ちきれない。
愛媛県立とべ動物園では、動物たちの健康を支える「もぐもぐタイム」の裏側に、様々な工夫と愛情が詰まっていた。

動物たちのごはんの裏側に迫る!
小川日南アナウンサー:
「食欲の秋、動物たちのごはんの裏側に迫るべく、きょうは調理棟に潜入します!」
朝8時40分、やってきたのは、エサを管理している調理棟。
県立とべ動物園飼料管理係・連 有吾担当課長:
「動物園全体の動物たちのえさの準備です。量を測って、それぞれの動物たちに配っているところです」
とべ動物園で飼育されている動物は140種627匹。(*7月末時点)
1日にかかるエサ代は16・5万円、年間ではなんと6000万円になるのだとか。

種類が変わるだけで地味…?
小川アナウンサー:
「わぁすごい、たくさん段ボールが置いてありますね」
とべ動物園 連 有吾担当課長:
「これから冷蔵庫の中にある果物とか野菜をひとつずつ計って準備します。サツマイモ・ニンジン・ハクサイ・キャベツ・小松菜・キウイ・バナナ・食パンが主においてあります」
冷蔵庫から取り出した後は、動物ごとに分けられたコンテナに計量しながら、振り分ける。量は表で細かく決められている。
とべ動物園 連 有吾担当課長:
「種類が変わるだけで地味でしょ(笑)」
動物たちの健康を支えるため、毎日欠かすことができない大切な仕事だ。

トラックの荷台には干し草がぎっしり!
午前10時。調理棟で作業をしていた汗だくの連さん、今度はフォークリフトに乗りこんだ。後ろには4トントラック!これから何が始まるのか?
トラックの荷台には干し草がぎっしり!その量、約3.5トン。キリンやゾウ、サバンナの動物たちのエサ。ではこの干し草をどうやってキリン舎に運ぶかというと…
キリン舎の入り口!実はベルトコンベアになっている!
干し草を一ブロックずつベルトコンベアに乗せると、あっという間に約5mの高さのキリン舎2階へ。運ばれてきた干し草を、キーパーさんや連さんが受け取る。
私も持ってみると、「重い!」
それもそのはず、干し草は1個20キロもあるのだ!この日だけで、約480キロがキリン舎に運ばれた。

動物たちの元気な姿をお客様に見てもらいたい
こうして力を合わせて運びこまれた干し草を、キリンの小夏と杏子が『もぐもぐ』。
『もぐもぐタイム』の裏側には、陰で支える人たちの姿があった。
とべ動物園 連 有吾担当課長:
「この色んな動物たちに確実にごはんを届けるっていうのが大事な仕事で、例えば使っているうちにだんだんあるものがなくなってきますから、それを途切れることなく入庫してもらって、できるだけ新鮮で状態のいいものを動物たちに食べてもらう。そして動物たちの元気な姿をお客様に見てもらうっていうことを一番にして、毎日仕事したいと思います」

アフリカゾウのもぐもぐタイム
続いてはとべ動物園一の食いしん坊、アフリカゾウのもぐもぐタイム!
小川アナウンサー:
「今、青いドラム缶の中に鼻を突っ込んで、干し草を受けとった。そして口の中に入れてもぐもぐしてます」
八木綾菜キーパー:
「3頭合わせて1日にだいたい250キロ、エサを食べています」
干し草のほかに、野菜や果物など一日に与えるエサは10種類ほど。しかも一日に13回に分けて与えるそうだ。

ご飯を食べながらのストレッチ
そしてエサを食べさせる時にもこんな工夫が!
八木キーパー:
「ゾウがこう上に鼻を伸ばすことで、体のストレッチができるみたいな感じで、本来だったら高いところにある木の葉っぱとかをとったりとかするので、上に鼻を伸ばすっていう動きができるように上のほうにエサをつっています。」
ご飯を食べながらのストレッチ!ゾウたちの健康の秘訣。
小川アナウンサー:
「一番よく食べる子ってどのゾウなんですか?」
八木キーパー:
「お母さんのリカさん。この3頭のなかでも、順位っていうか力が強いので、他の子にどいてもらって独り占めできるようなぐらいの子です。大量のえさをむしゃむしゃ食べている姿はかっこいいなと思うので、タイミングがあったら見てもらいたいなと思います」
ゾウたちは豪快に、そして器用に食事をしているのだ。

ホッキョクグマのピースのもぐもぐタイム
最後はとべ動物園のアイドル!
ホッキョクグマのピースのもぐもぐタイムを見てみると…
飼育担当・髙市敦広キーパー:
「これを1日に2杯。きょう一杯目を先にあげるんですけど」
こちらはペレット。魚粉をぎゅっと固めたごはんだ。
髙市キーパー:
「(Q.ピースは普段何を食べる?)このペレットとかリンゴとか、あとニワトリですね。それで今からオイルをとりに行きます」
こちらが普段のごはん。ペレットにリンゴ、そしてアザラシオイルだ。

アザラシオイルで発作がなくなった
2年ほど前にこのアザラシオイルをあげ始めてから、てんかんの発作が起きなくなったそう。
髙市キーパー:
「(Q.ピースの健康のために意識していることは?)一番は観察、変化がないかっていうことを常に意識して見ていますね。目の表情を見て、今日ちょっとしんどそうだなとか、いい表情しているなとかっていうところから見て、あと食べ方とか食べ残しがないかとか、総合的なところで判断してる。今チュッチュチュッチュしてますけど、これも機嫌が良い時しかしないので、体調悪くはないんだなっていうひとつのバロメーターですね」
動物たちにとって「食べること」は「生きること」
キーパーさんの工夫と愛情が、毎日の健康と元気の源になっている。
