18日、日本勢としては34年ぶりとなる、世界陸上・男子400m決勝に挑んだ、中島佑気ジョセフ選手(23)。初のメダル獲得への挑戦となりました。

ナイジェリア人の父と日本人の母を持ち、小学6年生から陸上を始めた中島選手。当時は、走り高跳びでメダルを獲得したこともあったといいます。

小学6年から中学1年まで所属した陸上クラブの川口博正代表は、当時の走りをこう思い出します。

中島選手が小6から中1まで所属 KMC陸上クラブ
川口博正 代表:
フォームが最初変わらなくて、同世代の女の子に負けていたので、苦労していたかなと。
とにかくいつも笑顔なので、(陸上が)もう本当に好きなんだなっていう。
本当にいいやつですね。私もたくさんの生徒見ていますけど、その中でも一番って言えるくらい結構礼儀正しいですね。
当時は同世代の女の子に負けることもあったという、中島選手。しかし、いつも笑顔で“陸上への愛”は、人一倍感じたといいます。

高校時代の恩師で、シドニー五輪日本代表の山村貴彦さんも、当時は結果こそついてこなかったものの、日々真面目に練習に取り組む姿が印象的だったといいます。

高校時代の恩師 山村貴彦さん:
(高校時代は)どちらかといえば目立たない選手ですし、400mの実績っていっても、全国高校総体の準決勝に落ちている子なので。

やはりあの大きな身長をダイナミックに走るというのが魅力でしたし、長い目で見て、大学4年間、もしくは社会人になってから大成するんではないかというふうには、確信を持っていましたね。
歴代最高6位入賞…恩師「まだまだ日本記録は更新できる」
努力で才能を開花させ立った“世界の舞台”。

雨が降る中でのレースとなったものの、序盤、力をためながら食らいつくと、ラストの直線で2人をかわし、見事、日本勢としては歴代最高の6位入賞。
日本陸上界に新たな歴史を刻みました。

国立競技場でレースを見ていた恩師2人は…。

高校時代の恩師 山村貴彦さん:
もう少し上の順位を取れれば、よかったんじゃないかなというふうには思いましたけども、初めての決勝ということと、44秒4から6で三本揃えたっていうことは、価値があるレースだったんじゃないかなと思いますね。

KMC陸上クラブ 川口博正 代表:
9レーンのスタートだったので、最初ちょっと周りの選手との距離感っていうのはつかめないので、その辺が走りにくかったんじゃないかなって気はします。
まだまだ日本記録は更新できると思いますし、もともと45秒切れなくて、ちょっと苦しんだ時期があって、でも、そこを抜けたら一気に速くなっているので。
逆にどこまで行っちゃうかな?っていう楽しみがありますね。
試合後のインタビューでは、次の五輪でのメダル獲得に向けて、自信を語っていた中島選手。
“陸上が大好きな少年”が抱いた夢へのレースは、まだ始まったばかりです。
(「サン!シャイン」 2025年9月19日放送)