食欲の秋。そろそろキノコ狩りや山菜採りが楽しみな時期ですが有害な植物を食べて食中毒になるケースも。身近な植物に潜む危険を取材しました。
2025年6月、岡山県内に住む80代が自宅の庭のプランターに植えていたイヌサフランの球根を玉ねぎと間違えて調理。そのまま食べて食中毒を起こし死亡したということです。
イヌサフランは、北海道などで食されることの多い多年草のギョウジャニンニクにも似ていて全国で死亡する事例が相次いでいます。
(平野桂子記者)
「イヌサフランはコルチカムとして園芸用に販売されていて身近な植物。私たちの身の周りには実は有毒成分が含まれるものが多く存在するのです」
その代表格が「スイセン」です。厚生労働省によりますと、ニラと間違えて食べ、食中毒を起こした人は2024年までの10年間で226人。そのうち1人が死亡しています。今が見ごろのヒガンバナもニラと間違われやすい有毒植物で、誤って食べる人がいるといいます。
家庭で常備する人も多い野菜のジャガイモにも注意が必要です。光に当たって皮が薄い黄緑になったジャガイモには毒素の「ソラニン」が含まれ、食べると吐き気やめまいなどの食中毒症状を引き起こすことがあります。
(岡山県生活衛生課 山口寛正さん)
「そのもの自体、花など見れば分かるが根や葉で間違えたりすることがよくある。これからの9月、10月、11月はキノコ狩りのシーズンともかぶるので、植物性の自然毒に気を付けるシーズンになる」
食用キノコにそっくりな毒キノコは数多くあり、確実に食べられるキノコと判別できないものは絶対に食べてはいけません。有毒植物が原因で食中毒になった患者の約半数は60歳以上で、県は特に注意を呼びかけています。
(岡山県生活衛生課 山口寛正さん)
「自分では大丈夫だと思っても誤っていることもあるので、取らない、食べない、人にあげない、売らないということを気を付けてもらえれば」