殺人などの罪に問われたハンセン病元患者の男性が『特別法廷』で裁かれ、死刑となったいわゆる『菊池事件』。9月14日は、この男性の命日です。それに合わせ、
熊本市では集会が開かれました。
殺人などの罪に問われたハンセン病元患者の男性が『特別法廷』で裁かれ、死刑となったいわゆる『菊池事件』。
「特別法廷での審理は憲法違反」とする熊本地裁判決が確定し、男性の遺族が熊本地裁に裁判のやり直し、いわゆる『再審』を請求しています。
【黙とう】
こうした中、男性の命日である9月14日に合わせ、『秋桜忌』という集会が毎年開かれていて、約70人が参加しました。
会では、菊池事件の再審請求弁護団の馬場 啓 弁護士が、再審請求をめぐる
これまでの流れを報告。その後、ハンセン病問題をテーマにした映画『新・あつい壁』の中山 節夫監督が、菊池事件に対する思いなどを語りました。
【志村 康さん】
「再審が決定しないのは憲法違反だと思っている。憲法違反で殺された」
また、会場では、国立療養所菊池恵楓園の入所者自治会で会長を務め、ことし5月に亡くなった志村 康さんのメッセージ動画も上映。
菊池事件で死刑になった男性との最後の面会人である志村さんが、男性の無罪、そして早急な再審の必要性を訴えました。
【志村 康さん】
「いつも穏やかな顔をしている、怒った顔は見たことがない。この人は殺人を犯すような人かどうかということについては〈絶対ありえないだろう〉と」
そして、志村さんの後を継ぎ、ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会の会長に就任した竪山 勲さんが「菊池事件の再審を勝ち取るために、一致団結しよう」と
呼びかけました。
【菊池事件弁護団 徳田 靖之共同代表】
「菊池事件は絶対、再審無罪にしなければならない事件だと思っているので、今日は新しい出発点になった」
菊池事件をめぐっては、再審開始するかどうかを熊本地裁が来年1月末までに
判断することになっています。