実りの秋を迎えたわわに実ったブドウですが、夏の猛暑で一部の実が小粒化するなどの異変が全国で相次いでいます。

平日の11日も農園には多くの人がブドウ狩りに訪れていました。

異変に見舞われていたのは巨峰です。

加藤ぶどう園・加藤正芳園主:
房全体が小さいのもそうなんですけど粒が大きくならなくて、これが高温障害。

空梅雨や連日の猛暑の影響で粒が指先ほどの大きさにしかならなかったといいます。

シャインマスカットも同じように小粒化し、粒の間に隙間がある状態となっていました。

一方で、粒が大きくならなかったことで甘みが凝縮され質は良いといいう、思いもよらないプラス面がありました。

加藤ぶどう園・加藤正芳園主:
ここ数年の中では本当に指折りの甘さで、それはすごいなって感じですね。

来園者「すごく甘みがある。甘さがすごく凝縮されてる」と話しました。

とはいえ経営的には甘くはありません。

こちらの農園では量り売りで販売しているため、小粒化は売り上げに大きく影響するといいます。

加藤ぶどう園・加藤正芳園主:
(Q.普段の巨峰の大きさは)大体400グラムから500グラムくらいなので、普段「800円前後ですよ」とお客さんには案内していますが、(この房は)500円くらいですので下がってしまってますね。(売り上げが)数百万円単位では減少するんじゃないかな。それがどこまでいくのかなという不安は、今抱えながらやってますね。

今シーズン全国で相次いでいるというブドウの小粒化。

福岡・久留米市にある農園によると原因は猛暑以外にもあるといいます。

中野果実園・中野正二さん:
今こういう小粒のブドウができている状態ですね。

大きな粒の半分ほどの大きさしかなく、比べてみると違いは一目瞭然です。

原因を中野さんは「一番は受粉の時間の気温が低いことですね」と語ります。

ブドウの受粉が行われるのは5月初旬で、久留米市の平年の平均気温は18.9度。

しかし、2025年は約1度低い18度でした。

その影響で受粉がうまく進まず、実が十分に育たなかったり小さいまま残ったりしたことで小粒化してしまったということです。