岡山県は9月12日、県内に住む80代の高齢者がタマネギと間違えて、有毒植物の「イヌサフラン(コルチカム)」の球根を食べ、死亡したと発表しました。

6月下旬に警察から県保健所に「イヌサフランを食べ、死亡した疑いがある事例を探知したため、詳しく検査を行う」との連絡が入りました。保健所で調べたところ、亡くなった高齢者がイヌサフランを誤って食べた疑いがあることが分かりました。

9月11日になって、警察から県の保健所に「イヌサフランの有毒成分、コルヒチンが検出された」との連絡が入ったため、保健所はイヌサフランによる食中毒と断定したものです。

亡くなった高齢者は自宅庭のプランターに、園芸用としてイヌサフランの球根を植えていて、それをタマネギと誤認し、調理して食べたのが原因とみられます。

県によりますと、イヌサフランは有毒成分の「コルヒチン」を含み、嘔吐や腹痛、下痢、けいれんなどの症状を引き起こします。

◆葉のない時期は特に要注意…全国でも食中毒

イヌサフランは一般的に「コルチカム」という名で園芸用に販売されていて、春先から新芽が出て、葉は夏には枯れ、秋に薄紫やピンクの花を咲かせます。葉のない時期は球根をタマネギやジャガイモなどと誤認して食べる食中毒が発生しています。

全国では過去10年間にイヌサフランによる食中毒が22件あり、患者数は29人です。このうち14人が死亡しています。

◆誤認しないよう…できる対策は?

県では食中毒予防のため
1、観賞用の花壇と家庭菜園は別にし、一緒に植えない
2、植えた場所に、植物の名札をつけておく
3、球根は、子供などの手の届く所や台所に置かない

3つの対策を呼びかけています。

岡山放送
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