欄干を越え、橋の上へと流れ出る川の水。
11日午後3時半ごろ、東京・品川区を流れる立会川が氾濫しました。
そして同じころ、京浜急行・立会川駅付近の国道15号では、冠水した道路を大きな水しぶきを上げながら車が走っていました。
氾濫した立会川の濁流が国道に流れ出したとみられ、流れ出た水が交差点付近に集まります。
タイヤが半分ほどまで浸かるほどの浸水。
車が通るたびに大きな水しぶきが上がりました。
東京・大田区の南馬込でも道路が冠水。
道路との境目が分からなくなった歩道を歩く撮影者。
周囲は一面が冠水し、まるで湖のようです。
11日午後、東京都や神奈川県の各地に記録的短時間大雨情報が発表され、東京都心を流れる河川が相次いで氾濫しました。
午後3時過ぎの東京・世田谷区を流れる谷沢川は、今にも道路上にあふれ出んばかりの激しい濁流となっていました。
等々力渓谷から多摩川へと流れ出る普段は穏やかなこの川が、激しい濁流と化し、消防とみられるヘルメットをかぶった隊員が水位を確認しています。
水位はさらに高さを増し、川の水がフェンスを越え、氾濫しているのが分かります。
世田谷区付近では、レーダーによる解析で午後2時半までの1時間に約100mmの猛烈な雨が降ったとみられます。
河川カメラで谷沢川の様子を見ると、正午時点ではまだ雨は降っておらず、川底が確認できる状態。
ところが午後1時50分ごろから水位が上がり始め、わずか50分後、午後2時40分には水位が2m30cmまで上昇。
1時間足らずの間、2メートル以上水位が上がり、氾濫してしまったのです。
東京都によりますと、谷沢川の丸山橋で午後2時22分に氾濫が発生。
さらに午後2時31分には、矢川橋でも氾濫が発生したと発表しています。
いずれも30分ほどの短時間で氾濫危険水位まで水位が上昇しました。
世田谷区は自主的に避難する住民に向け、避難場所を開設しました。
東京都心を流れる目黒川でも、午後2時45分、気象庁は氾濫危険情報を出しました。
東京・目黒区の自由が丘では、冠水した影響でビルの地下にある学習塾などが浸水しました。
塾の講師は「雨すごいなと思って、10分後ぐらいに雨漏りしてきて、まずいなと思って雨漏りの対応とかして上を見に行ったらあふれてるなと。これもうだめと思って」と話しました。
自由が丘では、半地下になった飲食店に雨水が流れ込み客が一時閉じ込められましたが、脱出したということです。
また、近くのヘッドスパサロンでも地下部分に水が流れ込み、一時、経営者の女性ら2人が閉じ込められました。
経営者は「店の中に(水が)入っていることに気づいて、10cmくらい水がきて、窓の所までしっかり水がたまってて」と話します。
この大雨の影響で交通も乱れました。
東京・品川駅の新幹線の改札口では、案内板を見上げる、立ち尽くす人の姿が。
東海道新幹線は、大雨の影響で午後3時前から一部区間で運転を見合わせましたが、午後6時現在は運行を再開しています。