福井県は11日、ツキノワグマ出没対策連絡会を開き、今後の出没予測を報告しました。この秋は餌となる木の実が不作となる見込みで、人が生活するエリアでもクマが大量に出没する恐れがあり警戒が必要だとしました。
会議には県と市や町の関係者、県の猟友会の代表ら約60人が出席。県自然保護センターの調査を踏まえた出没の予測について、県の田島正強自然環境課長は「餌を求めたクマが人の生活圏に大量出没する可能性が高い。一層の警戒や対策が必要」と話しました。
調査は県内の山中で8月に行われ、クマの餌となるブナやミズナラの実は不作と判断されました。近年、秋以降にクマが大量出没したケースでは2023年が534件で、うち人身被害2件。2020年は837件で、うち人身被害は12件。今年はその当時とほぼ同じ水準の不作となっています。
県は、新たにツキノワグマの出没情報をインターネット検索サイトのアプリ内で通知する仕組みを新たに導入し、県内を訪れる観光客に対しても注意喚起を強化するとしています。
また、9月から改正鳥獣保護管理法が施行され、市や町の権限で猟銃による緊急駆除が可能になりましたが、前例がないこともあり、会議の出席者からは慎重に対応するべきだとの意見が多く出されました。
県は、クマを引き寄せないために生ごみや収穫予定のない柿の実を放置しないよう呼びかけています。
