市議会から不信任を突き付けられていた静岡県伊東市の田久保眞紀 市長は9月10日、中島弘道 議長と面会し、議会の解散を通知する書面を手渡しました。
弦間彩華アナウンサー:
市長が出てきました。議長室へと向かっていきます
午前10時。
中島議長のもとを訪れた田久保市長。
伊東市・田久保眞紀 市長:
令和7年9月1日、貴職から令和7年伊東市議会9月定例会において私に対する不信任案の決議をした旨の通知がありましたので、地方自治法第178条第1項の規定に基づき、令和7年9月10日、議会を解散するため通知を致します
書面を手渡すと足早に議長室を後にし、この瞬間市議会は解散されました。
伊東市議会・中島弘道 前議長:
この大義なき解散に本当にいま怒りしかない。本当に多くの市民も納得いくものではないと思う。市政の停滞はこのまま続き、市民には引き続き心配と迷惑をかけることになる。私たちは伊東の明るい未来のためにこれからも戦い続けたい
伊東市議会・青木敬博 前副議長:
3月予算(新年度の予算編成)が間に合わないかもしれず、6万4000人の市民生活よりも、皆さんが汗水流して働いて稼いだ4500万というお金を使い選挙を行うということで、自分のため、市民ファーストよりも自分ファースト。たった1人のために6万4000人が苦労したり不安になったりいろいろな思いをしている。これは許されないこと
その後、取材に応じた田久保市長が議会解散の理由に挙げたのが、自らに対する不信任の議決がされたタイミングです。
伊東市議会では田久保市長の学歴詐称問題について百条委員会による調査が終了したため、9月定例会の初日に全会一致で不信任決議案を可決しました。
伊東市・田久保眞紀 市長:
9月議会での重要な案件が無事審議された後、つまり議会の最終日に私の不信任案を決議するという結論に議会が至らなかったことに非常に残念な思い。市政にとって、また市民生活において、大変重要な議会においての審議や採決が議会初日をもって放棄されてしまったという事実は事実として冷静に受け止め判断し、これを改めて広く市民に信を問うべきと考えた
議会側に責任を転嫁するような田久保市長の発言に、百条委員会で委員長を務めた井戸清司さんは…。
伊東市議会・井戸清司 前市議:
自分も辞任するので議会を解散してくださいという態度であればまだ納得できるが、議会を悪者にするような発言をしながら議会解散というのは憤りを感じる以外の何物でもない
議会の解散により、伊東市では40日以内に市議会議員選挙が行われることになりますが、気になるのは候補者の擁立など、田久保市長がどの程度選挙に関わるかです。
伊東市・田久保眞紀 市長:
私に対して常にイエスマンである、そのような議会ではあってはならないと思っている。ただ、今の状況を鑑みて、もっといろいろな議論があり、いろいろな結論があって然るべきと考えているので、そういった意味での新しい力に期待している。私の党を作る、私の賛成者をという話があったが、私はそのようには一切考えていない。伊東の現状を見て、自分こそ市政を変えていく。そのように思って手を挙げてくれる若い力に私としては非常に期待している
一方で田久保市長が見せた“偽”の卒業証書など、すべての発端となった自身の学歴詐称問題については10日も言及を避けました。
伊東市・田久保眞紀 市長:
捜査の関係もあるので、いまこの場で具体的なコメントをすることはできないので承知してほしい
今回の市議選について、再生への道と評した田久保市長。
しかし、市政の混乱を収めるための説明責任は今も果たさないままです。