最低賃金が改定される日や引き上げ額が不十分とする労働団体などからの異議申し出を受けて10日、秋田の最低賃金が改めて審議されました。審議会は、答申通り最低賃金を1031円に改定すべきとし、発効日も2026年3月31日と結論付けました。

県内の最低賃金を話し合う審議会は8月25日、2025年度の改定額を現在の951円から80円引き上げ、時給1031円とするよう秋田労働局長に答申しました。発効日は「使用者側に一定の準備期間が必要」として、2026年3月31日と全国で最も遅くなっています。

これを受けて、県労働組合総連合など14の労働団体は8日、発効日を早めることなどを求め秋田労働局に異議を申し出ました。

10日は異議の申し出について審議され、使用者側は「変更の必要はない」とし、労働者側は「10月に発効した場合、企業の倒産も考えられる。一定の準備期間は必要」とし、答申通り最低賃金は1031円で、2026年3月31日から適用されることが決まりました。

県内の最低賃金は、現在全国単独最下位ですが、今回の改定額は鳥取より1円高くなりました。審議では、県から最下位脱出に向け強い要望があった上、全国でも他県との差を意識し、国の諮問機関の目安額に上乗せする競争が激化しました。

審議会後、秋田地方最低賃金審議会の臼木智昭会長は「審議会全員の気持ちの中には、とにかく全国最下位をどうやって回避するかという暗黙のプレッシャーがあった。発効日が2026年3月31日というのは、それまでに賃上げをやらなくていいという意味ではなくて、企業の事情に応じて早期に引き上げて、例えば、補助金を利用しようとする企業は、2026年1月までに何らかの形で賃金を引き上げることが必要になる」と述べました。

最低賃金が2026年3月31日から時給1031円になることについて、労働者・使用者はどのような思いでいるのでしょうか。

アルバイトをする10代の大学生は、最低賃金が1031円になることについて、「めっちゃうれしいです。正直すごい助かります。秋田は他の県に比べたら、ずっと最低賃金が低いと言われ続けてきたので、最低賃金を上げるとなったのはすごくうれしい」と笑顔を見せました。ただ、発効日が2026年3月31日になることについては「『もっと早くしてくれよ』とも思うが、やはり賃上げを実施する側を考えると、急に対応するのは難しいことだと思うので、妥当というか致し方ないことだと思う」と話していました。

一方、30代の飲食店経営者は「どこかのタイミングで上がらなきゃいけないと思うので、厳しい中でも飲食店だけではなく、企業がひと踏ん張りして乗り越えていかなければいけない時なのかなと思っている。最低賃金を上げることで、秋田が元気になって盛り上がって明るい秋田になるのであれば、それでいいと思う」と胸の内を明かしました。

秋田テレビ
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