自民党派閥の政治資金パーティーでの不記載を巡るいわゆる裏金事件で、大野泰正元参議院議員(66)が初公判で無罪を主張しました。
東京地裁前から、フジテレビ社会部・大熊悠斗記者がお伝えします。
スーツ姿で法廷に現れた大野被告は、傍聴席に深く一礼をしてから席につきました。
裁判官からの質問にはハキハキと答えていました。
大野泰正被告:
(Q.無罪を主張するか)…。(Q.裏金はあったか)なんもないですよ。
元参議院議員の大野泰正被告と元秘書の岩田佳子被告(62)は旧安倍派から受け取った寄付金、合わせて約5100万円を収支報告書に記載しなかったとして、政治資金規正法違反の罪に問われています。
10日の初公判で、大野被告は「支援者の方々にご迷惑をおかけしたことを心よりおわび申し上げる」と謝罪した上で、「道義的責任はあるが、犯罪を犯したことはない。無罪を主張させていただきます」と述べました。
一連の事件では当時の国会議員4人を含む計12人を立件していて、議員として起訴された被告の裁判が行われるのは初めてです。
――なぜ無罪を主張?
大野被告は10日の裁判で「この件が報道されるまで収支報告書に記載しているのか、記載していなかったのかさえ知らなかった」と話し、虚偽記載への関与を否定しました。
また、元秘書の岩田被告も「寄付と認識はしていない。共謀もありません」と述べ、無罪を主張しています。
――受け取った金をどう認識していた?
10日の裁判で、大野被告側は「裏金事件に巻き込まれた被害者と言える」と主張しました。
さらに、「受け取ったお金は派閥に返さないといけない預かり金という認識だった」と説明しました。
今後、検察側の立証や大野被告らの説明で、どこまで解明されるのかが注目されます。