2024年3月に熊本市の繁華街で従業員の女性3人を包丁で刺して、殺害しようとした罪に問われている元店長の男の裁判員裁判が熊本地裁で始まった。男は9月8日の初公判で「間違いない」と起訴内容を認めた。
女性従業員3人を殺害しようとした罪
殺人未遂、銃刀法違反の罪で起訴されているのは、熊本市中央区草葉町に住む元飲食店店長・奈良公明被告(31)。

起訴状などによると、奈良被告は2024年3月に自身が店長を務めていた熊本市中央区下通の飲食店で、包丁2本を使って当時19歳と21歳の女性従業員3人の顔などを何度も刺し、殺害しようとした罪に問われている。

9月8日の初公判で奈良被告は「間違いない」と起訴内容を認めた。
「長期間の過重労働が極端な思考に」
その後の冒頭陳述で検察は「奈良被告は、従業員3人から退職する旨を告げられたことで怒り、犯行に及んだ。3人は緊急手術を受けて、死の危険があった」と指摘。

一方、弁護側は起訴内容については争わないとしたものの、「被告は事件直前、9カ月間休みなく働いていて、精神的に追い詰められていた。また、自ら警察に通報していて自首が成立する」と主張した。

午後からは証人尋問が行われ、精神科医が「1カ月の残業時間が230時間を超え、過労死ラインを大幅に超過。長期間にわたる過重労働が心理状態を悪化させ、極端な思考に至った」と述べた。

判決は9月17日に言い渡される予定。
(テレビ熊本)