9月に入っても、日中は依然として厳しい暑さが続いています。この残暑による外気の暑さと室内の冷房との寒暖差が原因で、腸の働きに影響が出て便秘が起こる可能性があります。福井県済生会病院の平松活志医師に原因を対策を聞きました。
◆寒暖差で自律神経が乱れ便秘に
気温の変化で体の調整が追いつかないことで、腸の働きにも影響が出る可能性があると平松医師は話します。
「気温の変化で自律神経が乱れて腸の動きが不安定になり、季節の変わり目に生活リズムが変わることが便通の異常につながることがある」(平松医師)
さらに今年は残暑が長引いていて、気象庁の最新の3カ月予報では、9月、10月を中心に平均気温は高い見込みとなっています。
平松医師は「外は暑く屋内が寒かったりすることで、自律神経の調節がうまく調節できないと腸の動きが低下して便秘になる可能性がある」とします。
◆繊維質の秋の味覚も食べ方に注意
また秋の味覚が食卓を彩るこの時期は食物繊維が豊富な食材が増える一方、 便秘のリスクも潜んでいるといいます。
「繊維分が多いもの、例えばイモやキノコを食べることが多くなるかもしれない。通常は繊維質は便通には良いはずが、同時に水分も一緒にきちんと取らないと便秘になる。1回の食事あたり500ccを目安に飲めば良いのではないか。納豆、キムチ、 味噌汁などの発酵食品もおすすめ」(平松医師)
◆便の状態にも注意を
ただ、次のような症状がある場合は他の病気が疑われることもあるとして、平松医師は注意を呼び掛けます。「普段は便秘がちでもないのに急に便秘になったり、便が細くなったりする、あるいは便が細くなるのは大腸がんの可能性も否定できない」
また、便に血が混じる、熱が出る、あるいは痛みが強い、お腹の張りが強い場合なども受診の目安だとしています。
連日の猛暑による冷房と外気の寒暖差で、体に負担がかかる日が続いています。“冷え対策を意識して自律神経の乱れを防ぎ、 便秘予防につなげましょう。