夏休みが明け全国各地の学校で2学期がスタートしている中、心配されるのが「新型コロナ」だ。学校内で広がり、それが家庭内に持ち込まれることで爆発的に感染が拡大する恐れがあるためだ。

島根・鳥取両県でもすでに流行の兆しをみせている。
流行の中心とされる新たな変異株「ニンバス」の特徴、さらにこの時期ならではの注意点を医師に聞いた。

感染者増加に危機感を訴える上田医師
感染者増加に危機感を訴える上田医師
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お盆過ぎにかなり多く…感染者の増加にさらなる警戒感

うえだ内科ファミリークリニック・上田直樹院長:
8月に入って一段と増えた印象です。お盆を過ぎてからもかなり多い印象です。

島根・松江市内の「新型コロナ」の流行状況を話すのは、上田直樹医師。

松江市の内科クリニックでは、8月に入り発熱外来を訪れる患者が急増。
ほぼ全員に新型コロナの検査をした結果、陽性率は7割~8割にのぼり、警戒感を強めている。

島根・鳥取両県の感染者の推移
島根・鳥取両県の感染者の推移

全国的に流行の兆しを見せている新型コロナ。
1週間ごとの1医療機関あたりの患者報告数は、2025年8月4日からの1週間では、島根で4.50人、鳥取4.03人だったが、8月11日からの1週間で8.45人、鳥取6.38人に増加、さらに8月18日からの1週間では島根9.75人、鳥取8.00人に。両県ともに7月中旬から右肩上がりに増加していて、島根県は全国平均の8.73人を上回っている状況だ。

特に島根の浜田保健所管内で23.00人で、その高さが目立つ。
感染拡大の原因の一つとして考えられるのが…。

うえだ内科ファミリークリニック・上田直樹院長:
全国的にも今、話題のニンバスというそこから派生したようなコロナウイルスが流行期に入ってると言われてます。

オミクロン株の変異株「ニンバス」
オミクロン株の変異株「ニンバス」

「カミソリを飲み込むよう…」喉の強い痛みが特徴 感染力も強い

オミクロン株の新たな変異株「ニンバス」。特有の症状が出るという。

うえだ内科ファミリークリニック・上田直樹院長:
カミソリを飲み込むような痛み、強い痛みとかって表現されてますけど、それに近いような表現をされる方が多く見られます。感染力は強い印象です。

さらにこの時期ならではの注意点もあるとして警鐘を鳴らす。

「熱中症」と判断しがちなケースも
「熱中症」と判断しがちなケースも

うえだ内科ファミリークリニック・上田直樹院長:
夏の暑い時期に熱が出ると、熱中症かなと思って自己判断で対応される方もけっこういるんですけど、まだあまり症状が強くない時は、診断がけっこう難しい。

軽い初期症状の段階では、自分で「熱中症」と判断してしまい、診察を控えることで感染を広げてしまうケースがあると指摘する。

残暑が続く中で注意が必要な時期も長引く
残暑が続く中で注意が必要な時期も長引く

「コロナはまだ終わっていない」という認識を 風邪の症状あれば検査

9月以降も厳しい残暑が予想される中で、猛威をふるう変異株「ニンバス」。
上田院長は「コロナはまだ終わっていない」という認識を持つことが重要だと呼びかける。

うえだ内科ファミリークリニック・上田直樹院長:
現場ではコロナは終わってません。周りへの感染の影響が他の感染症に比べても、圧倒的に強いので、熱が出た時とか風邪の症状があったら医療機関受診して、コロナのような検査を受けられることをお勧めします。

カミソリの刃を飲み込んだようなのどの痛みを伴うニンバスによる感染。
これまでの免疫をすり抜けやすいことも、感染が急拡大している背景にあるという。

変異株「ニンバス」の特徴を知ること
変異株「ニンバス」の特徴を知ること

「ニンバス」の特徴を知って有効な対策を


今のところ重症化しやすいという報告はなく、現在の治療薬も有効だということだが、山陰各地で続々と夏休みが明け、学校が再開されると一気に感染が広がる恐れがある。
このため、マスク、手洗い、消毒といった基本的な感染症対策の徹底をする必要があり、少しでも異変を感じたら医療機関を受診することが大切だ。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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