子どもたちに楽しい夏の思い出を作ってもらおうと、富山市若竹町で6年ぶりに住民による手作りのお化け屋敷が復活した。コロナ禍を経て待望の再開となったこのイベントは、地域の大人と子どもが一体となって準備を進めている。
■地域の絆で作り上げる夏の風物詩
富山市若竹町の公民館に、住民たちが集まり「手作りお化け屋敷」の設営作業が行われていた。お化け屋敷のルートづくりや、夜の雰囲気を演出するための遮光対策など、細部にまでこだわった準備が進められている。
このお化け屋敷は2011年に住民たちが始めたもので、地元の大人と子どもが一緒に楽しみ、夏の思い出を作ることを目的としている。新型コロナウイルスの影響で一時中断していたが、今年は6年ぶりの復活となった。
若竹町お化け屋敷実行委員会の佐藤誠委員長は「夏といえばお化け屋敷だろう。久しぶりなので、大人が本気でやっているお化け屋敷をこどもたちに感じてもらって、怖くて入れないほど思ってもらえるようなものを作りたい」と意気込みを語る。
■入ったことがない設計者の面白い物語
お化け屋敷の準備には子どもから大人まで幅広い年齢層が参加。かつてこのお化け屋敷で楽しんだことのある高校生たちも加わり、準備を手伝っている。
その中でも興味深いのは、高校1年生の凪さんの存在だ。凪さんは設計図を提案するなど積極的に制作に関わっているが、実は地元のお化け屋敷に一度も入ったことがないという。
「(ほかのお化け屋敷は)入ったことがあるが、でも怖いのが苦手だった。大泣きして、それ以来入っていない」と凪さんは打ち明ける。
お化け屋敷のプロデューサーは「彼の面白い所は、僕の所に間取りのプランを持ってくる。『今度のお化け屋敷はこんな感じでやりませんか』と言って、平面図まで書いて、入ったことがないけど」と笑顔で語る。
■約3ヶ月かけて準備した本格的な仕掛け
設営当日には、約3ヶ月かけて手作りした道具が運び込まれ、仕掛けの設置も行われた。このお化け屋敷の特徴は、ストーリー性とゲーム性を重視していることで、毎年テーマが変わるという。
これまでは学校や病院などの定番テーマが採用されてきたが、今年のテーマは都市伝説の「やまんば」に決まった。
高校1年生の凪さんは「ちゃんとビックリしてくれて、お化け屋敷から出てきて、笑顔の人もいたら成功だと思う」と期待を込める。
小学校2年生の由絆ちゃんも「自分で作ったからあまり怖くない、怖いというか(友達に)楽しんでほしい」と、作り手ならではの視点を語った。
■30日に本番を迎える待望のイベント
本番は30日に開催され、昼から夜まで3回にわたって実施される。対象は中学生以下で、地元以外の子どもも参加できる。
住民たちの手によって作り上げられたお化け屋敷に、どんな驚きや仕掛けが待っているのか。6年ぶりに復活した地域の夏の風物詩に、期待が高まっている。