東京都心からも程近く、避暑地として人気の高い、山梨・富士河口湖町。
富士山の絶景が楽しめる富士五湖の1つ、河口湖で異変が起きていました。
普段はボートでしか行くことのできない六角堂まで歩いて行ける状態に。
本来の様子を写真で見てみる、と六角堂は湖に浮かんだ状態。
湖の底にあるはずの“幻の道”が出現した理由は、水不足。
河口湖の8月の降水量は55mmと平年の176.8mmを大きく下回っています。
富士河口湖町によりますと、28日午前10時時点で基準水位より3.57m低い状態だということです。
六角堂へ続く幻の道を歩いてみると、貝殻が至る所に落ちていました。
普段歩くことのできない場所に観光客からは「実際にここがマップで水がある状態なので、ちょっと歩いてみようとなった」「不思議な感覚。湖の底って普段どういう状況なのかわからないから、ここもちゃんと歩けるのかなと思った」「言われないと分からない」「歩けなかった場所が歩けるのはいいですね」といった声が聞かれました。
ギリシャから来たという観光客も「すごくいい。とてもキレイ。眺めがとてもいい。雨が降り出したけど大丈夫。 寺のようなところにも行こうと思っている。ここの眺めと人と生活を楽しんでいます」と話しました。
一方で、遊覧用のボートなどを貸し出す施設は雨を待ち望んでいました。
KBH河口湖ボートハウス・大町悦章代表:
一番は雨が降ってもらえればという話です。降らないので(水が)減る一方だし、暑すぎるとお客さんがボートになかなか乗ってくれない。 湖出ると日陰がないのもあるし、暑いので水温もかなり高い。魚も釣れないので釣りのお客さんも少ない。
観光客に人気のスワンボートは、桟橋の下が陸地になったため、待機スペースが減少。
現時点で、3台のボートが使えない状況になっています。
KBH河口湖ボートハウス・大町悦章代表:
こんな状態で干上がっているので、今はこれだけしか出せてない。秋は紅葉の時季はもうひとつの稼ぎ時、かき入れ時になるので、ある程度稼働できる状態を作っておかないと、ちょっと厳しい。
富士山や周辺の水資源などを研究している専門家は、夏場にここまで水位が下がるのは8年ぶりだといいます。
今後も水不足が続く可能性はあるのでしょうか。
山梨県富士山科学研究所・山本真也主任研究員:
例年だと9~10月と降水量が増えていくので、ある程度回復すると思いますが、冬場はあまり雨が降らないので、その間の流出によって水位が下がっていく。ことしよりも下がってしまうというようなことは起きうるかなと思う。
雨不足の影響は関東だけではありません。
岩手の胆沢ダムでも8月20日に貯水率が3.5%と過去最低の水準になり、農業用水の供給を一時停止するなど農業関係者からは懸念の声が上がっています。
各地で起きている水不足。
今後、解消される見込みはあるのでしょうか。