中谷防衛相は28日、来日したイギリスのヒーリー国防相と防衛省で会談した。会談で中谷氏は、「最も緊密な安全保障上のパートナーとして、英国との防衛協力を一層強化したい」と伝え、ヒーリー氏も賛同した。
イギリスの「プリンス・オブ・ウェールズ」空母打撃群が日本に寄港していることについて、中谷氏は、「日英両国間の防衛協力のさらなる進展を示すものだ」などと歓迎する意向を伝えた。
さらに会談後、両氏は、英空母「プリンス・オブ・ウェールズ」に乗艦するなど、両国の連携を強調した。
会談では、日英防衛当局間では初めてとなる共同声明を発出した。
共同声明では、中国の台頭を念頭に、「両大臣は、東シナ海と南シナ海の状況に関する深刻な懸念を改めて表明し、力や威圧によるあらゆる一方的な現状変更の試みに引き続き強く反対する」と強調。
北朝鮮については、「核・ミサイル活動の進展を強く非難する」としている。
また、8月に行われた多国間訓練で、海上自衛隊の護衛艦「かが」でイギリスのF-35B戦闘機が初着艦したことを歓迎し、海自と英国海軍・空軍の「相互運用性の価値を再確認した」としている。
この他、「サイバー・電磁波領域が現代戦の核心であり、両国の防衛・安全保障を支えるものであることを改めて確認した」とした上で、両国のサイバー分野での協力を強調している。