SNSで11万いいねの反響 県内外から予約殺到
富山ならではの体験が今、SNSで話題を集めている。美しく透き通るマグロやエビなどのお寿司。

しかし、これらは食べることができない。全て「ガラス細工」で作られたものだ。

富山市の観光協会がSNSに投稿したこのガラス細工のお寿司の画像は、瞬く間に拡散され、「11万いいね」という反響を獲得した。この体験を提供している富山市の「富山ガラス工房」には、県内外から予約が殺到している状況だ。
東京から夜行バスで「予約リベンジ」の熱心なファンも


取材日には、東京から夜行バスでやってきた参加者の姿もあった。

「東京から来ました。去年行きたかったが予約がとれなくて、今年リベンジできた。予約日に3時間くらい仕事の間に電話をかけて、この日しか空いていなくて休みをとって来た」

参加者たちは、マグロとカキなど思い思いの「寿司」を製作。体験した一人は「思ったよりお手伝いをしてくれていい感じに作れた」と満足げに話した。
富山市の観光事業とのコラボ企画 今年も即日完売

このガラス寿司体験は、富山市の観光事業「すしのまちとやま」とのコラボ企画として昨年からスタートした。今年も9月から今月末まで期間限定で開催され、予約開始日には電話が鳴りやまず、600人分の全枠が即日完売という盛況ぶりである。


SNS上には「シャリの再現が凄い!」「美しいガラス細工一度やってみたい」といったコメントが多数寄せられており、富山でしかできない体験として注目を集めている。
ガラス作家がマンツーマン指導 初心者でも安心
体験で使用される技法は「吹きガラス」ではなく、"ソリッドワーク"と呼ばれるもの。溶けたガラスを塊にしたり、引っ張ったりして形を作る技法だ。

体験はまず約1300度の溶解炉から透明なガラスを取り出し、シャリの形に整えるところから始まる。ごはん粒の表現には溶けたガラスに小さなガラス粒をつける工夫が施されている。

次にネタとなる部分を作るため、再び透明なガラスを取り出し、色ガラスの粉をつけて形を整える。最後にネタとシャリを重ね、ワサビを乗せれば完成だ。

難しそうに見えるが、工房スタッフのガラス作家がマンツーマンでレクチャーしてくれるので、初心者でも安心して取り組める。ひとつの作品は約15分程度で完成するという。
「寿司のまち」富山をPRする新たな観光資源に

富山は「寿司のまち」として知られる。このガラス寿司作り体験は、食べるだけでなく、作る楽しさも加わり、富山の寿司文化を新たな角度から体験し知ってもらう絶好の機会となっている。
自分だけのオリジナルお寿司を作れるこの体験は、富山の新たな観光の目玉として、今後も人気を集めていきそうだ。
(富山テレビ放送)
