宮崎県の最低賃金が11月16日から1023円に改定される。過去最大の71円引き上げで、初の1000円超えとなる。物価高騰の中、今回の改定は県内経済にどう影響するのか、注目が集まる。

過去最大の引上げで1023円に

8月25日、宮崎県の最低賃金を決める宮崎地方最低賃金審議会は、現在の時給952円から71円引き上げ、時給1023円とする改定内容をまとめ、宮崎労働局長に答申した。

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新たな最低賃金は、企業側の準備期間を確保するため、例年より1か月以上遅い11月16日からの適用にむけ、公示手続きが進められる。

最低賃金はパートやアルバイトなど全ての労働者に適用され、毎年度改定される。

8月4日、国の審議会は、宮崎県など13の県について、引き上げの目安額を「64円」と示していた。宮崎地方最低賃金審議会の専門部会では、この目安額を基に改定額が議論されてきた。

25日に開かれた審議会では、「物価上昇に見合う賃金上昇」や「地域間格差の解消」などの理由から、71円の引き上げが決定した。国の目安額を7円上回り、引き上げ額は過去最大。県内の最低賃金は初めて1000円を超えることになる。

宮崎地方最低賃金審議会 橋口剛和会長:
かなり最初から、労使の見解の隔たりは大きかったと言わざるを得ないと思う。結果的には間を取るような形で、我々公益(代表)側が見解を示して、結論に至った。

10年間で約330円の上昇

ここ10年間の県内の最低賃金の推移を見ると、10年前の2015年は693円だった。

4年前に800円を超え、昨年度(2024年度)は952円になった。昨年度の引き上げ額55円も過去最大だったが、今年度(2025年度)はそれを16円上回る71円の引き上げとなった。10年間で330円の上昇である。

答申終了後、宮崎労働局の吉越正幸局長は、「企業、事業所の賃上げの原資確保のため、助成金の活用など支援の取り組みをしっかり進めたい」とコメントした。

中小企業が大半を占める県内で、最低賃金の引き上げが、経済に今後どのような影響を及ぼすのか、注視していく必要がある。

(テレビ宮崎)

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