兵庫県立篠山産業高校(兵庫・丹波篠山市)で、野球部の長沢宏行監督が部員に対し頭を叩く体罰を行ったことがわかりました。

丹波篠山市によりますとこの体罰があったのは、先月10日に行われた兵庫県大会2回戦の試合後。夏の高校野球の県大会にシード校として臨んだ篠山産業高校でしたが、敗退した後、学校に戻り1・2年生で紅白戦を行った際、右肘を怪我していながらマウンドに上がろうとした2年生の投手の頭を「なぜ無理をするんだ」とはたいたということです。

長沢氏は事実を認め「試合に負けたことに感情的に怒ったのではなく、彼の今後を考えてやったこと。申し訳ない」とこの部員やその保護者に謝罪しました。保護者から被害の届け出を出しておらず、市によると部員や保護者はむしろ「なぜこんな大事になっているのか?」「暴力を振るわれた認識はない」と受け止めているということです。

今回の事案を受けて、高校側は県教育委員会に報告。市も事実関係の調査を行って先月30日に高野連に上申書を提出したということです。

長沢氏は指導歴が長く、1996年のアトランタ五輪女子ソフトボール日本代表のコーチを務めたほか、高校野球で手腕を発揮し、岡山県の創志学園や鹿児島県の神村学園を全国大会に導いた名将として知られます。3年前からスポーツを通じて地域の活性化を目指す市の特別職である「スポーツ振興官」となり、同時に、篠山産業高校の野球部監督も務めていました。

今回の事案を受けて長沢監督は先月19日から野球部の指導を離れていて、「スポーツ振興官」としての職務についても、市は今後の対応について、学校の処分等をふまえ学校や教育委員会と協議して検討するとしています。

この事案について、きょう=26日午後4時30分から市長が記者会見を開き、説明する予定です。

関西テレビ
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