愛知・豊明市の市議会が25日に開会し、注目の条例案の審議が始まりました。
その条例案とは、スマートフォン等の適正使用の推進に関する条例。
スマートフォンやタブレットの使用時間の目安を、仕事や学習などを除き1日あたり2時間以内にするというものです。
全ての市民が対象で、小学生以下は午後9時以降、中学生以上の子供は午後10時以降の使用を控えるよう促しています。
違反をしても罰則はありませんが、家庭でのルール作りなど努力義務を課すとしています。
この条例案を議会に提出した小浮正典市長が取材に応じました。
愛知・豊明市 小浮正典市長:
あくまでも2時間は目安にして、それぞれの人の生活パターンにおいて、睡眠時間を削っていないか、家族とのコミュニケーションが削られていないか、食事がいい加減になっていないか、そういったことを見つめ直してもらえればいいと思っています。
小浮市長は1969年生まれで現在56歳。
市のホームページによると、京都大学卒業後、朝日放送に入社。
その後、「朝日新聞」や「TOKYO MXテレビ」など複数のメディアや企業を経て、2012年に豊明市の副市長となり、2015年から市長を務めています。
そんなメディア出身の市長が打ち出したスマホの使用時間を制限するという全国初の条例案について街で話を聞くと、「賛成です。あんまり画面見てほしくないのが本音なので、2時間くらいにしてくれたらなと」と話す母親に対し、子供たちからは「やだ。だってゲームいっぱいやりたいから。(Q.何時間がいい?)10時間」との声が聞かれました。
街では他にも「余計なお世話。自己判断、自己責任でやってますと」「まず2時間というのがよくわからない、意味が。個人個人の考え方や使い方があるから、あんまり縛らない方がいいのなと」「別にどっちでもいい。強制力があるわけじゃないし」などの声が聞かれました。
では、皆さんスマホをどれくらい使っているのでしょうか。
街の人は「4時間29分。インスタとか、あとは中国のアプリとか。いろいろ使っていると2時間はあっという間に超えちゃいます」「8時間くらい。結構使ってます。最近だとTikTokとかYouTubeが多いです。減らせないです」「4時間57分。インスタとかドラマとか。(学校では)2時間は厳しいなという意見が多かった」と話しました。
市には条例案の発表後、「なぜ条例で縛るのか」「きっかけ作りとしてはいい」などの意見が、これまで約90件寄せられていて、多くが市外からだということです。
小浮市長の25日の会見では、記者から様々な質問が出ました。
愛知・豊明市 小浮正典市長:
(Q.なぜ子ども以外まで、全員対象というのは?)もともとは不登校になっている子どもたちが、スマートフォンが手放せなくなっているので、家から出られなくなってしまっているというケースが増えてきていることから出発しています。ただ、それはその子たちだけの問題ではないと。(Q.市にそういうことはいわれたくないという反応に対しては?)あくまで2時間をまずは目安として自分の生活を見つめ直していただいて、それで4時間、5時間使っても私は大丈夫です、そういったことが分かれば、それでオッケーだと思っています。
条例案が市議会で可決されれば10月1日から施行される予定です。
では、小浮市長本人はスマホをどれくらい使用しているのでしょうか。
「イット!」は先週22日、市長を直撃しました。
愛知・豊明市 小浮正典市長:
びっくりした3時間57分。きょうは多分このニュースのチェックを朝早くからやっていたので、えらい長くなってしまった。だけど、普段から長いです、自分は。天気のチェックをいつもしているものですから。日曜日に大阪万博行ったんですけど、8時間ぐらい使っているんですよ。どこがすいているのかひたすら調べてたものですから、こんなになってしまった。
条例案では、仕事などでの利用は2時間以内の対象外となっています。