「きみの思い込みじゃなくて、本当なの?本当なら、ぜひ信じたい。それが真であることを証明してほしい」みたいな。
数字に鋭敏だから、冷蔵庫の風景の中で、海苔佃煮の瓶の白い蓋にスタンプされた数字、納豆のパックにスタンプされた数字が目に飛び込んでくるわけ。

この世の多くの妻たちが「夫は、頼んだものは持ってこないくせに、賞味期限切れの食品だけは持ってくる」とため息をつくが、これは、タテ型回路が、セオリー通りに動いただけ。嫌がらせなんかじゃ、けっしてないのである。
タテ型はすばやく問題点をキャッチ
荒野を行くときも、冷蔵庫を開けたときも、タテ型回路は、「空間全体を眺めて、すばやく特異点をキャッチアップし、それを目標点に定めて瞬時に照準を合わせ、行動を起こす」。
そして、概念空間もそれに準じる。脳の原初的な領域は、物理空間か概念空間かの区別なんてしてはいないからね。
そもそも、目の前の現実の物理空間だって、左右二つの網膜に映った平面的な画像を、脳の視覚野が統合して勝手に奥行きを作り出し、脳の持ち主に見せている、いわば「概念空間」のようなものなのだもの。
というわけで、何か問題が起こったとき、タテ型回路は「すばやく問題点をキャッチアップして、目の前の現実問題の解決に照準を合わせ、さっさと動き出す」ことになる。
概念空間の中でも、特異点にいち早く照準が合い、そこに集中して行動を起こさずにはいられないのである。このため、「開口一番、言ってやりたいことば」がたいていダメ出し。