深刻な人手不足が続く中、採用に頭を悩ませるのは警察も例外ではありません。
こうした中、島根県警では新たな人材確保につなげる取り組みを進めています。
そのキーワードは「公開」です。
大学生:
すごーい。
参加者が思わず声を上げたのは鑑識の体験。
捜査の現場で実際に使う道具を使って残された足跡や指紋の採取を体験しました。
松江市の島根県警察学校で開かれた体験型の就職説明会「オープンポリス」です。
就職活動中の学生に体験を通じて警察の仕事について知ってもらおうと、県警が毎年夏と春に開いています。
この日は、警察官を将来の進路の一つに考えている大学生や専門学校生など14人が参加しました。
田淵木萌記者:
災害現場ではこのような鉄パイプを切る状況があるということで、こちらの油圧カッターを使って鉄パイプを切る体験をしてみようと思います。
こちらは機動隊訓練の体験。
災害の現場で救助の妨げになる障害物を油圧カッターを使って取り除きます。
田淵木萌記者:
切断完了。
硬い鉄パイプを切断することができました。このほか、ドローンの体験も。
災害現場での情報収集に活用これも機動隊の任務のひとつです。
参加者は、さらにインターネットを使って犯人を特定するサイバー捜査や声をかけた人物のかばんから薬物を見つける職務質問など4つの仕事を体験しました。
参加者:
「目の見えない仕事もしっかり分かったので、いい経験になった。」
「ドラマで構築されたイメージが覆ると思うので来たほうがいいと思う。」
島根県警察本部 藤井勇彦管理官:
警察はきつい、厳しいというイメージがありますし、警察学校って大変なのかなというところがありますので、きょう(警察)学校でやってみて警察学校のイメージとか警察のイメージがいいなというふうに、この体験を通じて感じてもらえたらなと思っております。
島根県の警察官採用試験の受験者数は、2024年183人で10年前のほぼ半数にまで減少しています。県警は2024年から採用試験の回数を増やしたほか、民間企業でも使われる適性検査を導入するなどして受験者数は2割ほど増加したということです。
県警は引き続き、県外の試験会場の拡大など受験者の確保に向けた対策を進めることにしています。
県警の人材確保に向けた取り組みはほかにも…。
服装や装備品の点検を受ける新人警察官たち。その様子を保護者や家族が見守ります。
2024年から行われている警察学校の授業参観です。今回初めて報道関係者にも公開されました。
4月に入学した61人の学生は、半年または9か月の課程で、寮生活を送りながら、警察官として必要な技能や法律の知識などを学んでいます。
その様子を実際に見てもらうことで保護者や家族の不安をなくし、警察の仕事に理解を深めてもらうのがねらいです。
生徒:
「制服を見せるのが入学式以来だったので緊張しましたけど(親の)顔を見るとほっとしたといいますかうれしかったです。」
生徒の保護者:
今はちょっと安心してます。心配がだいぶんなくなりました。
警察官は強く優しくないといけない職業なので、自覚して県民のために努力してもらいたいと思います。
生徒:
(警察官になることは)ずっと伝えていたことなので、有言実行できたことがとてもうれしいので、もっともっと良い警察官になれるように頑張りたいなと思いました。
訓練を通じて成長した姿を家族に見せられたことは、学生にとっても大きな励みになったようです。
島根県警察学校 田尻厚史副校長:
入校した時の一番最初の気持ちを忘れずに、最後まで貫いていただけたらなと思っております。そのための我々はバックアップしていこうと思っております。
県警は、内側を公開することで警察官の仕事をより深く理解してもらいやりがいのある職業として選んでもらえるようになればと期待しています。