なぜなら、無理に引きはがすとパンパンに血で膨らんだ胴体だけがとれて、皮膚のなかにマダニの頭の部分が残り、ばい菌やウイルスがそこから入り込んでしまうことがあるからです。

葉の裏で待ち伏せ中のタカサゴキララマダニの雄成虫(画像提供:日本ペストコントロール協会)
葉の裏で待ち伏せ中のタカサゴキララマダニの雄成虫(画像提供:日本ペストコントロール協会)

マダニは満腹になると頭を固定していたセメント状の物質を溶かす酵素を口から出して、皮膚からポロッと落ちていきます。それまで待てば頭が皮膚に残ることもないのですが、ずっとマダニを体に付けたまま生活するのは、さすがに抵抗感がありますよね。

寝ている間に潰して布団やマクラが血だらけになってしまうことだってありえるし、ましてやそのマダニがウイルスを保有していたとしたら、一刻も早く受診をしたほうがいいに決まっています。

ネットなどには医者にいかずに自分でマダニを取る方法などもアップされているようですが、マダニはSFTSだけでなく、日本紅斑熱やライム病など、さまざまな感染症の媒介となっています。万が一のことを考えて、自分でははがさずに皮膚科を受診することをおすすめします。

皮膚科では切開が主流

皮膚科では、メスで周辺の皮膚ごとマダニをえぐり取ることが多いようです。