この大雨の影響で土砂崩れや河川の氾濫が発生しています。また、甲佐町では車で避難中だった家族4人が土砂崩れに巻き込まれ、男性が心肺停止で見つかるなど、人的被害も出ています。

県内各地で土砂崩れや冠水など多くの被害をもたらした今回の線状降水帯。

熊本県や警察、消防などによりますと、甲佐町豊内では11日午前4時20分ごろ、
親子4人が、車で避難途中に、土砂崩れに巻き込まれたということです。

母親と4歳と1歳の子どもは消防によって救助されましたが、50代の父親が行方不明となり、懸命な捜索が続けられていました。

その後、倒壊した建物の内部で男性が心肺停止の状態で発見されたということです。

また、熊本市南区元三町では午前7時過ぎ、60代の男性がごみ出しの途中に
冠水した道路に倒れ、心肺停止の状態で病院に搬送されました。

熊本市北区と南区ではそれぞれ男性1人が「川に流された」と通報があり、現在、警察と消防が捜索中です。

玉名市を流れる境川でも「人が流されたようだ」との通報がありました。

また、美里町豊富では午前3時前、「家が土砂に巻き込まれ、中に1人取り残されている」と通行人から通報がありました。

消防によりますと、昼前には家の中に取り残された60代の男性を救助し、命に別条はないとみられています。

また、警察などによりますと11日八代市千丁町の用水路に乗用車が転落、高齢とみられる女性が救助されましたがその後、死亡が確認されました。

警察が身元の特定を進めるとともに今回の大雨との関連を調べています。

また、県内では大雨による土砂崩れや倒木で、天草市と上天草市、美里町、甲佐町の4つの市と町で孤立も発生していて、県が詳しい状況を確認するとともにルートの確保に取り組んでいます。

住宅への被害も出ています。県と熊本市によりますと県内で床上浸水が86軒、床下浸水が99軒確認されています。


交通にも大きな影響が出ています。

【寺田菜々海アナウンサー】
「午前8時、熊本駅です。九州新幹線、在来線ともに運転を見合わせています。
お盆期間の3連休最終日とあって多くの方が利用を予定していたようで切符の払い戻しを待って長い列ができています」

JR九州では三角線や、熊本県内を走る鹿児島本線と豊肥線の上下線ともに始発から運転見合わせ。

九州新幹線も始発から全線で運転を見合わせていましたが、昼頃から本数を減らして
再開しています。

【岡山からの旅行客】
「岡山に帰るところ。きょうは朝早くから出ようと思ったけどまだ止まっているので
とりあえず払い戻して博多まではバスで行けたら」

【大阪に旅行に行く予定だった人】
「万博に娘二人と行く予定で、そうしたらこんなことになっちゃって」

【大阪からの旅行客】
「昨日帰る予定だったが始発も、動かないということで」

12日の運転については未定だということです。

熊本市電や熊本電鉄、路線バスも始発から運転を見合わせましたが、一部の路線バスと熊本市電は再開しています。

一方、熊本電鉄の列車は踏切の装置が浸水により、故障していて、再開の目途はたっていないということです。

続いて高速道路。九州自動車道の人吉インターから菊水インターまで、南九州道の日奈久インターから八代ジャンクション、九州中央道の益城料金所から嘉島ジャンクション、いずれも上下線で通行止めです。

NEXCO西日本によりますと、再開の目途はたっていません。

また、熊本空港発着の空の便にも一部、遅れや欠航が出ています。


気になる今後の雨の降り方気象予報士でもある郡司キャスターに伝えてもらいます。
県内では雨のピークはすでに過ぎ、線状降水帯発生や激しい雨の恐れはなくなりました。活発な雨雲は県内からは抜けつつあります。

半日以上も熊本県にかかり続けた赤やピンクで示される雨雲は県内からはなくなりました。ただ県内の場所によっては平年の8月、1カ月の3倍を超える雨が降るなど
地盤が緩んでいてまだ土砂災害が発生しやすい状態は続いています。

気象台や自治体から出される防災情報が解除されるまで引き続きお気をつけください。

雨は12日まで残りそうですが13日以降はまた厳しい猛暑が戻ってきそうです。

テレビ熊本
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